2019年5月22日(水)

米国で麻疹流行、2000年以来最悪 非常事態宣言も

北米
2019/4/30 4:49
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【ニューヨーク=西邨紘子】米国で麻疹(はしか)の流行拡大に歯止めがかからない。米疾病対策センター(CDC)が29日公表した2019年の累計患者数(4月26日まで)は704人だった。14年通年(667人)を早くも上回り、米国が麻疹撲滅宣言を出した2000年以来で患者数が最多となった。流行地域では予防注射の義務化や学校閉鎖などで流行封じ込めを急ぐが、収束の兆しは見えない。

麻疹予防のワクチン=ロイター

CDCによると、患者の多くはワクチン未接種の子供が占める。だが、直近では18歳以上の患者も報告され始めた。4月下旬に復活祭とユダヤ教の宗教記念日が重なり、人の移動が集中したことも流行拡大を招いたもようだ。

患者が集中するニューヨーク州やワシントン州ではこれまでに、一部の自治体が非常事態を宣言した。カリフォルニア州でも州立大学など2校が感染者と接触の可能性がある学生や関係者1000人超を自宅待機とする措置に踏み切るなど、日常生活にも影響が広がり始めている。

麻疹は空気や飛沫で感染する強力な感染症。CDCによると、予防接種などによる免疫がなければ、患者の近くによるだけで9割の人が発症するという。熱や発疹などの症状が一般的だが、まれに脳炎など重篤な症状を引き起こし、命に関わるケースもある。特に妊婦や予防注射前の幼児、健康上の理由で予防注射が受けられない人などが感染すると被害が大きい。

麻疹の流行は世界で深刻化している。世界保健機関(WHO)によると、2019年1~3月の感染件数は前年同期の4倍の約11万2000件に達した。

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