平成の天皇、皇后と私たち国民
編集委員 井上亮
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「『もろもろの旧(ふる)きもの』が打撃をうけた」。1959年4月、皇太子・明仁親王と美智子妃の結婚で日本中が沸き返った時期に発表された政治学者・松下圭一の「大衆天皇制論」は優れて予言的だった。
松下は「世紀のご成婚」を機に、天皇の正当性の基礎が万世一系の"神話"から「大衆同意」に変化したと述べ、日本国憲法のもとで天皇は「その正当性を国民からひきださねばならない」と論じた。人々の思いに寄り添う平成の...
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