2019年6月27日(木)

元徴用工らが追加提訴 日本企業9社相手に

朝鮮半島
2019/4/29 18:48
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【光州(韓国南西部)=恩地洋介】元徴用工訴訟を支援する韓国・光州の弁護団は29日、日本企業9社に損害賠償の支払いを求める訴訟を起こしたと明らかにした。韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じた2018年10月の判決から半年が経過。韓国政府が対応策を示さない一方で、原告側は資産の差し押さえや追加訴訟で企業に圧力をかける動きを強めている。

記者会見する元徴用工訴訟の原告団(29日、韓国・光州)=共同

生存する3人の元徴用工や遺族ら計54人が、生存者1人当たり1億ウォン(約1千万円)を基準とする損害賠償を求めて光州地裁に提訴した。三菱マテリアル三菱重工業日本コークス工業住石ホールディングス日本製鉄、JX金属、不二越西松建設日立造船の9社を被告としている。

弁護団は記者会見で「今後も2次、3次の追加訴訟を起こす計画だ」と述べた。3月下旬からの2週間で537件の訴訟の要望を受け付けたという。4月上旬にはソウルの別の支援団体が8件の訴訟を起こしている。

韓国の裁判所は追加訴訟の時効について最終的な判断を示していない。光州高裁は昨年12月、新日鉄住金(現・日本製鉄)への賠償命令が確定した昨年10月30日を起点に「原則6カ月、最長3年」の間は新たな訴訟を起こせるとの判断を示した。4月30日は判決から6カ月にあたる。

原告の狙いは日本企業に圧力をかけることにある。韓国内の資産を差し押さえ、売却の一歩手前まで手続きを進めている。韓国の裁判所は日本製鉄と韓国鉄鋼大手ポスコとの合弁会社の株式や、三菱重工業が持つ特許権と商標権の差し押さえを決定。上告審の判決が出ていない不二越も合弁会社の株式が仮差し押さえの対象となった。

日本は1965年の日韓請求権協定で元徴用工問題は「解決済み」との立場だ。他方、韓国政府はこの半年の間「司法判断を尊重する」との見解を示すだけで、事態打開へ具体的な動きを取らなかった。日本政府は企業の不利益拡大を防ぐため、請求権協定に基づく政府間協議を要請したが、韓国側は「検討中」と回答するにとどめている。

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