2019年6月18日(火)

トランプ氏、民主党へ「口撃」強める バイデン氏出馬を意識

トランプ政権
北米
2019/4/28 15:32
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【グリーンベイ(米ウィスコンシン州)=河浪武史】トランプ米大統領がバイデン前副大統領ら民主党の大統領選候補者への「口撃」を強めている。27日には次回選挙で重視する中西部ウィスコンシン州で演説して「民主党は急進左派党に改名すべきだ。米国は決して社会主義にならない」と激しく批判した。ただ、演説を途中退席する聴衆も目立つなど「トランプ劇場」に陰りもみられる。

トランプ米大統領は次回選挙で重視する中西部ウィスコンシンで演説した(27日、グリーンベイ)=AP。

「眠たげなジョー(バイデン氏)や変人のバーニー(サンダース上院議員)に自分と同じようなことができると思うか?」。27日、ウィスコンシン州で開いた選挙演説でトランプ氏は、民主党から次期大統領選へ出馬表明した各候補者を名指しで批判してみせた。約1万人の聴衆は民主候補者にブーイングを浴びせ、トランプ氏の挑発的な言葉に同調した。

トランプ氏はサンダース氏らが提唱する国民皆保険案や再生エネルギーへの巨額投資構想も切って捨て、民主党のアイデアは「極めて急進的で米国を社会主義にするものだ」と断じた。銃規制や妊娠中絶など、共和党と民主党で対立する政治課題も洗いざらい取り上げて「米国を守らなければならない」と主張した。

ウィスコンシン州は2016年の大統領選で、トランプ氏が1ポイントに満たない僅差でクリントン元国務長官に勝利した土地だ。共和党候補が同州で勝利したのは1984年が最後で、番狂わせが続いた「トランプ旋風」の象徴でもあった。

ただ、18年は上院選、知事選とも共和党が敗北した。民主党は同州が20年の選挙の勝敗を左右するとみており、大統領候補を最終的に選ぶ20年の党大会を同州ミルウォーキーで開くことも決定した。トランプ氏が同州での劣勢を放置すれば、再選に黄信号がともる。

それだけに演説では「1~3月期の国内総生産(GDP)は3.2%も増えた。経済は加速している」と就任2年半の成果も訴えた。27日は歴代大統領が出席してきたホワイトハウス記者会の晩さん会を3年連続で欠席。「土曜日の夜に『トランプ集会』よりも楽しいものがあるか?」と支持者に誇ってみせた。

ただ、1時間半に及んだ演説に、約1万人の聴衆の一部は途中でばらばらと退出した。トランプ氏は環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱など2年前の政策まで取り上げて支持者の反応を探ったが、保護主義や移民排斥といった内向きな政策だけでは新味がなくなっている。

政治専門紙「ポリティコ」によると、トランプ氏の支持率は4月19~21日の調査で前週比5ポイントも低下した。モラー特別検察官によるロシア疑惑を巡る報告書が、トランプ氏の司法妨害疑惑を指摘した影響があったとみられる。16年の選挙でトランプ氏を支えた中西部では、バイデン氏やサンダース氏の支持率が高まっており、トランプ氏への逆風が強まっている。

トランプ氏は27日の演説でロシア疑惑を「共謀は妄想。偽ニュースだ」とメディアなどに責任転嫁した。ただ、集会に参加したデビッド・ボスワースさん(27)は「トランプ氏が言うほどすべてが順調でないことは分かっている。次回選挙では民主党候補の意見も聞いてみたい」と話す。

「トランプ劇場」は政敵を徹底してこき下ろすことで熱狂的な支持を得たが、米国民の一部は分断をあおる手法の危うさにも気づいている。

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