2019年6月25日(火)

「ぴあ」も「ダカーポ」も 平成の休刊史(平成って)

コラム(社会)
2019/4/28 11:30
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平成の30年で大きな曲がり角を迎えたのが雑誌だ。出版科学研究所(東京・新宿)によると、販売部数は1995年のピークから20年あまりで7割減。一世を風靡した「噂の真相」や「ぴあ」「ダカーポ」なども次々と休刊に追い込まれた。柴田恭平研究員は「インターネットの普及が大きかった」と振り返った。

「魅力ある雑誌は健闘している」と話す出版科学研究所の柴田恭平研究員(東京・新宿)

「魅力ある雑誌は健闘している」と話す出版科学研究所の柴田恭平研究員(東京・新宿)

同研究所によると、95年に39億1060万冊あった雑誌の推定販売部数は96年から右肩下がり。2017年は11億9426万冊とピークの3割の水準に落ち込んだ。

06年以降、創刊より休刊の点数が上回り、08年には女性誌「主婦の友」やオピニオン誌「論座」、映画誌「ロードショー」など有名雑誌が次々と休刊した。

最も大きく影響したのがネットの普及だ。95年に「ウィンドウズ95」が発売され、パソコンブームが到来。初心者向けから専門誌まで多くのパソコン雑誌が創刊され、当初は活況にわいた。

だが、その後は読者を奪われ続ける。スマートフォン(スマホ)の普及もあり「特に情報誌に影響が大きかった」(柴田さん)。NTTドコモが14年にサービスを始めた雑誌読み放題「dマガジン」も打撃だった。

アナログの強みを「付録」に見いだしたのがファッション誌だ。先行したのは02年にファッション誌にバッグや小物を付け始めた宝島社。07年の景品表示法改正で付録上限額が引き上げられ、品質が一気に向上した。他誌も追随し、「付録合戦」が熱を帯びた。

一方、ネットに加えて社会的な逆風にもさらされたのが成人向け雑誌だ。20年東京五輪を控え、インバウンド(訪日外国人)のイメージ低下を危惧したコンビニ大手各社が次々と取り扱い中止を決定。8月末には店頭からほぼ姿を消す。

平成の雑誌を襲ったもうひとつの大きな要因が少子高齢化だ。96年に3億冊近かった児童誌は4分の1に縮小。歴史の長い小学館の学習誌「小学○年生」シリーズも一年生を除いて姿を消した。95年に週刊少年ジャンプが653万部という金字塔を打ち立てたコミック誌も落ち込みが止まらない。

半面、高齢者向けは創刊が相次ぐ。柴田さんが特に目立つと指摘したのが「パズル雑誌と健康雑誌」。紙と相性が良く認知症予防もうたうパズル雑誌は17年も漢字や数字(ナンプレ)など新たに13誌が登場した。

苦境にある雑誌業界だが「プロの編集力で読者をひき付ける魅力がある雑誌は健闘している」(柴田さん)。「ぴあ」や「週刊アスキー」など紙媒体を休刊しても電子版で復活・存続するケースも増えており、柴田さんは「ネットも活用し、紙にとらわれすぎないことも重要だ」と話している。(おわり)

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