南北会談から1年、韓国が記念式典 北朝鮮は参加見送り、溝浮き彫りに

2019/4/27 21:33
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【ソウル=山田健一】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が最初の首脳会談を開いてから1年を迎えた27日、韓国政府は会談場所だった南北軍事境界線のある板門店で記念式典を開いた。だが韓国が呼びかけた北朝鮮の式典参加は実現せず、米朝の仲介役を自任してきた文氏が置かれた難しい立場をかえって印象づける結果になった。

記念式典には韓国人女性歌手ら多数のアーティストが出演。1年前に両首脳が2人きりで歩いた木製の橋の映像を流すなどし、融和ムードの演出に努めた。

27日、南北首脳会談1周年を祝い板門店近郊で行進する韓国市民=AP

27日、南北首脳会談1周年を祝い板門店近郊で行進する韓国市民=AP

文氏は映像にメッセージを寄せ、「南北は北朝鮮の開城の共同連絡事務所でいつでも会い、鉄道や道路を連結するための準備も終えた」と強調。両首脳が署名した板門店宣言は「時間がたつほど後戻りできない平和へとつながる」と自賛した。

だが、現実は厳しい。1年前の南北会談で両首脳は「朝鮮半島の完全な非核化」をうたったが、カギを握る米朝交渉は難航し、南北の経済協力も進んでいない。文氏も非核化問題を巡り溝が深まりつつある米朝交渉を念頭に「新しい道にゆっくり来る方々を待たなければならない」と語り、事態打開には時間がかかるとの認識を示さざるを得なかった。

首脳会談後に記者会見する韓国の文在寅大統領(右)と北朝鮮の金正恩委員長(2018年4月、板門店)=韓国大統領府提供

首脳会談後に記者会見する韓国の文在寅大統領(右)と北朝鮮の金正恩委員長(2018年4月、板門店)=韓国大統領府提供

北朝鮮は2月の米朝首脳会談が物別れに終わって以降、米国へのけん制を強めている。朝鮮中央通信によると、対韓国窓口機関の祖国平和統一委員会は27日、金正恩氏が南北関係改善を主導したと称賛した上で、米国は「南北関係を米朝関係より先に進めないよう韓国を圧迫している」と批判。朝鮮半島が「戦争の危険が高まった過去に戻りかねない深刻な情勢になりつつある」として、韓国に対し米国と距離をとるよう求めた。

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