一帯一路「国際ルール守る」 習氏、7兆円の協力事業アピール

2019/4/27 20:12
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【北京=原田逸策】中国政府が主催した広域経済圏構想「一帯一路」の首脳会議は27日、共同声明を採択して閉幕した。習近平(シー・ジンピン)国家主席は閉幕後の記者会見で、「国際ルールや標準を幅広く受け入れることを支持する」と述べた。会議期間中に参加企業が640億ドル(約7兆円)規模の協力事業で合意したことも明らかにした。

「一帯一路」をテーマにした国際会議の最終日、記念撮影する各国首脳ら=27日、北京(ベルナマ通信提供・共同)

「一帯一路」をテーマにした国際会議の最終日、記念撮影する各国首脳ら=27日、北京(ベルナマ通信提供・共同)

会議は2017年に続き2回目。中国側の発表によると、37カ国が首脳級を派遣するなど100カ国以上が代表を送った。日本は自民党の二階俊博幹事長が参加した。習氏は次回の開催には言及せず、声明は「第3回を期待」とだけ記した。

習氏は「質の高い一帯一路をつくることで幅広い共通認識を得た」と述べ、参加国との連帯をアピールした。途上国を借金漬けにしてそのカタに重要インフラを取り上げる「債務のワナ」との批判を念頭に、「融資金利を下げるため、国際開発金融機関や参加国の金融機関の参加を歓迎する」とも語った。

一帯一路には地元に利益が落ちにくく、環境破壊や汚職を招くといった指摘もくすぶる。入札も中国企業が落札しなければ、中国の銀行の融資を受けにくい。自国企業の落札を融資条件にする「ひもつき融資」は、先進国が加盟する経済協力開発機構(OECD)が厳しく制限する。習氏は国際ルールの受け入れ表明で、ひとまず批判をかわせるとみているようだ。

一帯一路首脳会議の閉幕後に記者会見する習近平国家主席(27日、北京)=AP

一帯一路首脳会議の閉幕後に記者会見する習近平国家主席(27日、北京)=AP

習氏は「質が高く、価格が合理的なインフラ設備を建設する」とも語った。日本は新興国での受注競争で中国に対抗するため「質の高いインフラ」を掲げてきたが、中国が戦略を接近させた形だ。

ただ、一帯一路には2千を超すプロジェクトがあるとされ、各事業ごとに国際ルールを守らせる仕組みはない。「欧米メディアの報道で問題を初めて知り、現地調査に行くことも少なくない」(経済官庁の幹部)。執行体制は大きな課題だ。

習氏は27日午前の首脳討議ではインフラ以外の今後の重点として「デジタル経済など最先端分野での協力を深める」と語った。

米国が次世代通信規格「5G」から中国製品を排除するよう同盟国に求めており、中国はアフリカ、アジア、東欧など一帯一路の沿線国の市場開拓を進める。習氏は会見で米国を念頭に「公平で差別のない経営環境をつくってほしい」と注文をつけた。

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