2019年9月17日(火)

迫る5G 産業が変わる(2)建機の操作、自宅でも

2019/4/27 1:13 (2019/5/10 18:48更新)
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「ラジコン建機」。かつてそう呼ばれた遠隔操作の建設機械が、次世代の高速通信規格「5G」の力でより身近な存在になりつつある。災害復旧の現場などで利用されてきたが、精度の向上で作業の安全性がさらに高まると期待されている。一般的な現場作業をオフィスから遠隔操作する、新たな「ワークシェア」の概念が生まれる可能性もある。

コマツは5Gを使ってブルドーザーの遠隔操作を実験(千葉市)

コマツがこのほど千葉市美浜区で手がけた実証実験。デモ施設内で、黄色いブルドーザーが地面を手際よくならしていた。操作席は無人。動かしていたのは数キロメートル離れた幕張メッセに設置されたコックピットで映像を確認していたオペレーターだ。「おっ、動いた」。幕張メッセでは画面を通じて多くの人がデモを見守った。

コマツはNTTドコモと共同で、この建機の遠隔操作の実証実験を実施した。20年の5Gの商用化を受け、建設現場への導入を目指す。遅延が少なく高精細な映像を得られる5Gは、操作の快適性や安全性の向上につながるという。

日本建設業連合会(東京・中央)によると、高齢者の大量離職などで25年度の建設技能労働者は需要に対して約130万人不足する見通しだ。仕事がきついイメージで若者離れも起きていたが、5Gの活用で担い手の裾野が広がる可能性もある。

コマツの四家千佳史執行役員は、働き方の多様化なども踏まえ「今後自宅にいる人が現場を遠隔操作するようなニーズが出てくるか見極めたい」と話す。

競合他社も実証実験を急いでいる。コベルコ建機はがれきを持ち上げた時の重さなどを、振動や傾きでリアルに操作者に伝えることが可能な操縦システムを開発中。25年にも実用化したい考えだ。

KDDI大林組NECも18年、建設中のダムで土砂災害の土砂撤去を想定した建機の遠隔操作の実証実験をした。通常0.2秒程度あると作業員の疲れが生じやすい映像の遅延を0.1秒以内に抑えたという。

今後の業界の課題は、映像の臨場感の向上や通信が切れた場合の対処法など。操作の習熟やコールセンターのような支援体制の整備も5Gの定着には重要になりそうだ。

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