動物と衝突、輸送障害1.6倍
JR東の仙台支社管内、最多の135件

JR東日本仙台支社の管内で、動物との衝突による輸送障害が2018年度は前年度比1.6倍の135件と過去最高になった。JR東北本線や仙石線ではイノシシなどとの事故が増えている。衝突すると運行が30分ほど遅れるため、対策を強化する。
東北本線の越河―白石駅間や磐越西線の中山宿駅―沼上信号場間ではイノシシとの衝突件数が半数以上を占める。仙山線の陸前白沢―熊ケ根駅間や奥羽本線の北赤湯信号場―中川駅間ではカモシカや熊が目立っている。いずれも暖冬の影響で積雪量が少なく生息域が拡大したことや、耕作放棄地の増加が影響しているとみられる。
衝突は夕方から夜間が多い。衝突した場合、ブレーキなどに異常がないか点検し、次の駅まで徐行しなくてはならず、30分程度の遅れが発生する。昨年6月には仙山線の葛岡駅近くでカモシカが衝突し、41分の遅れが出た。
仙台支社は今年度、衝突が多い区間を中心に青色発光ダイオード(LED)の発光と超音波で動物を威嚇する装置を10カ所に設置する。これまでに設置した区間では衝突がなくなり、効果が出ている。他にも、進入防止柵の設置や唐辛子をもとにした動物忌避剤の散布を強化する。
関連企業・業界
企業: