2019年6月26日(水)

中華航空機事故から25年 遺族ら「世界の空、安全に」

中部
2019/4/26 17:41 (2019/4/26 21:23更新)
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1994年、名古屋空港で中華航空機が墜落し乗客乗員264人が死亡した事故から26日で25年を迎え、現場近くで慰霊式が開かれた。「世界の空が安全であってほしい」。米ボーイングの小型旅客機「737MAX」墜落など世界で事故が絶えない中、遺族らは癒えない悲しみを語り、平成最悪の航空機事故の記憶が忘れられないよう祈った。

慰霊施設で献花し、手を合わせる参列者(26日午後、愛知県春日井市)

事故現場近くの「やすらぎの園」(愛知県春日井市)で開かれた慰霊式には遺族ら約150人が参加した。夫と両親を亡くした永井祥子さんが遺族代表として4通の手紙を代読。「亡くなったあなたたちの無念を思って生きてきた。世界の空が安全であってほしい」と思いを述べた。

遺族らは慰霊碑に花を手向けた後、空港内の墜落場所に集まって手を合わせた。発生時刻の午後8時15分には台湾から訪れた40人ほどの遺族も加わって黙とうし、静かに犠牲者の冥福を祈った。

「元号は変わるが、遺族の悲しみは変わらない」。弟(当時41)を亡くした羽深渉さん(70)はボーイング小型機の事故や、2018年に相次いだパイロットらの飲酒問題に触れ、「また似たような事故が起きたことは残念。ずさんさが目立っており、航空会社の幹部が現場を正してほしい」と憤った。

岐阜県土岐市の山本昇さん(65)は台湾旅行から帰国するはずだった親族8人を失い、遺族会会長として長年慰霊式を取り仕切ってきた。「二度と事故を起こしてはならないという強い思いで、今後も慰霊式を続ける」と決意を新たにした。

慰霊式では中華航空の劉世華名古屋支店長もあいさつし、「社員一人ひとりが責任を持って安全運航を積み重ねていく」と事故防止に努めることを誓った。

 ■中華航空機事故
1994年4月26日午後8時15分、台北発名古屋行きの仏エアバス社製の中華航空機が着陸に失敗して墜落し、炎上した。乗員乗客合わせて264人が亡くなった。国内の航空機事故では85年の日航ジャンボ機墜落に次ぐ惨事で、平成では最悪となった。
 旧運輸省の事故調査委員会は、副操縦士の操縦ミスや機体設計上の問題などの「複合的要因」が原因と結論づけた。死亡した機長ら6人が業務上過失致死傷の疑いで書類送検されたが、全員が不起訴となった。
 中華航空と早期の和解に至らなかった遺族らは95年、損害賠償を求めて提訴した。一、二審とも中華航空の賠償責任を認めたが、エアバス社への請求は退けた。最後まで争った原告2人が2008年に上告を断念し、訴訟は終結している。

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