2019年6月18日(火)

インテルにデータセンターの逆風 5G撤退で注力も不振

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北米
2019/4/26 13:26
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インテルはデータセンター向けの減速で2019年通期の売上高予想を3%引き下げた

インテルはデータセンター向けの減速で2019年通期の売上高予想を3%引き下げた

【サンディエゴ=佐藤浩実】米インテルの停滞が目立ってきた。25日に2019年通期の売上高予想を3%引き下げると発表した。成長をけん引してきたデータセンター向けCPU(中央演算処理装置)の販売が減少に転じるためだ。次世代通信規格「5G」をめぐるスマートフォン向け通信半導体の競争から降り、得意分野に集中すると決めた同社だが、むしろ主力事業の先行きへの警戒感が広がっている。

「中国で(経済環境の)逆風が強まり、顧客がIT投資にいっそう慎重になっている」。25日の決算会見。ボブ・スワン最高経営責任者(CEO)は通期の売上高見通しを690億ドル(約7兆7千億円、従来予想は715億ドル)に下方修正した理由をこう説明した。

特に足元の19年1~3月期のデータセンター部門の売上高は前年同期比6%減の49億ドルと7年ぶりのマイナスとなった。19年通期でもリーマン・ショック直後の09年以来の減収となる見込みだ。

インテルのデータセンター向け半導体の顧客リストには、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなど米国のクラウド大手のほか、アリババ集団や百度(バイドゥ)、騰訊控股(テンセント)といった中国勢がずらりと並ぶ。「中国に強い顧客基盤を持っている」(スワン氏)ことで、中国景気の減速影響を大きく受ける結果となった。

ただ、株式市場の懸念は中国景気の動向というマクロ経済の視点だけにとどまらない。

シリコンバレーのインテル本社にほど近い会議場で23日、半導体受託生産最大手TSMC(台湾積体電路製造)の魏哲家最高経営責任者(CEO)が熱弁を振るっていた。同社は3月に回路線幅が5ナノ(ナノは10億分の1)メートルの先端半導体の試験生産を開始。「20年後半には量産を始められる」と、2千人近く集まった顧客に採用を訴えた。

データセンター向けでは既にアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が、TSMCの7ナノメートルの製造プロセスを活用したCPUを年内に投入すると表明。一方、スワン氏によると、インテルがほぼ同性能とされる10ナノメートルのCPUを出せるのは20年という。今は世界で9割超のシェアがあるとはいえ、今後製品化される見込みの5ナノの製品も含めて競争の激化は避けられない。

アップルとクアルコムが2年あまりの法廷係争を経て「電撃和解」を発表した16日、インテルは5G対応のスマホ向け通信半導体の開発をやめると表明した。スワン氏は25日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)の取材に「(両社の)発表を踏まえて、収益化を見通せないと判断した」と語っている。

開発投資など年10億ドルの費用削減が可能になる一方で、18年に30億ドル以上あった通信半導体の売り上げは、5Gへの切り替えが進む21年ごろにはなくなる見込みだ。発表当日は「英断」と受け止められた撤退だが、「得意分野」と宣言したデータセンター向けでの成果への投資家の視線がいっそう厳しくなることも意味している。

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