2019年6月19日(水)

球場が呼んでいる(田尾安志)

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「オープナー」は日本球界に合っているか

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2019/4/28 6:30
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指名打者(DH)制やリクエスト制度など、日本のプロ野球が米大リーグから導入した仕組みは多い。本家にならう慣例は今も続いていて、今季また一つ、新たな取り組みが日本に取り入れられた。「オープナー」だ。

大リーグでは、2014年から4年連続200安打のホセ・アルテューベ(アストロズ)や、昨季36本塁打でナ・リーグ最優秀選手に輝いたクリスチャン・イエリチ(ブルワーズ)ら重量級の打者が2番を打つケースが少なくない。バントでなく強打でつなぐ上位打線は破壊力があり、そこに立ち向かう投手は初回から目いっぱいの投球が求められる。そこで、短いイニングを全力で投げる救援投手を初回のマウンドに送って難局を乗り切り、多少は負担が少なくなる二回以降に先発ローテーション投手を登板させる、オープナーが考案された。

日本ハム・金子は4月6日の西武戦で「第2先発」として三回から登板も2回5失点だった=共同

日本ハム・金子は4月6日の西武戦で「第2先発」として三回から登板も2回5失点だった=共同

この一風変わった手法を今季、日本ハムが導入して話題を呼んでいる。4月6日の西武戦で、栗山英樹監督は先発して無失点だった加藤貴之を2イニングで降ろし、三回から金子弌大を「第2先発」としてマウンドに送った。打者7人に投げた加藤の後を受けた金子は、8番打者との対戦からスタートと、あまりプレッシャーのかからない滑り出しだったはずだが、5失点。2イニングを投げたのみで降板した。

■「第2先発」の難しさ

今季オリックスから日本ハムに移籍した金子は、開幕前からオープナーへの心づもりはできていたようだが、いざやってみた感想は「先発と雰囲気が違い、うまく試合に入りきれなかった」という。一方の西武・辻発彦監督は、好投していた加藤が「2回で代わってくれた」と思わぬ降板を歓迎。第2先発への継投は、皮肉にも西武の強力打線を勢いづけるスイッチになった。

私は、一回からの6イニングと終盤3イニングの比重は同じだと考えている。前半6イニングの経過を見て勝ち試合になるか、負け試合になるかを見極め、終盤にリリーフ陣の誰を起用するかが決まってくる。そこで、まだ勝てるかどうかわからない試合の冒頭に優秀な救援投手を投げさせるのはどうなのか。2番手以降の投手が打たれて大敗でもしたら、本来、勝ち試合でつぎ込むはずの投手を先発させたことはもったいなかったということになる。

初めから救援投手の力を借りるのは、首脳陣が先発ローテーション投手を信じていないことにもなる。先発投手というのは、みんなお山の大将。「俺の球が打たれるものか」と自信過剰なくらいの人が先発投手になるわけで、そこで「おまえじゃ危ないから」と言われたら、がっくりくるだろう。

日本で今、強打者が2番を打つチームは坂本勇人と丸佳浩が務める巨人くらい。投げる側からすると大リーグほど初回のプレッシャーはないはずで、わざわざ救援投手をぶつけるまでもない。そもそも前半の失点はいくらでも取り返せるもので、大事なのはあくまで七~九回。その3イニングで逆転されて敗れれば、2敗分のショックを受ける。

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