AIで司法予備試験の問題予想 6割的中を目指す
資格試験のオンライン学習サイト「資格スクエア」を運営するサイトビジット(東京・千代田)は2019年4月25日、人工知能(AI)で予想した司法試験予備試験の短答式問題を、4月29日から無料公開すると発表した。予想問題は、サイトビジットとAI TOKYO LAB(エーアイ・トウキョウ・ラボ、東京・渋谷)が共同開発した試験問題出題予測サービス「未来問」で作成したものである。

19年度の司法試験予備試験は5月19日に実施される。短答式問題は、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法の7科目(各10~15問)と一般教養科目(40問から20問選択)が出題される。未来問では、短答式問題を128のカテゴリーに分類し、出題されそうなカテゴリーを予想。そのカテゴリーから問題を作成した。
予想には主に2つのAIエンジンを使う。1つは、カテゴリーを分類するエンジン。過去5年分の問題と資格スクエアの予備試験講座テキスト3500ページ、ウィキペディアの法律用語などを教師データにして、文章解析エンジンで128カテゴリーに分類した。
もう1つは、出題されそうなカテゴリーを抽出するAIエンジンだ。128カテゴリーから再帰型ニューラルネットワーク(RNN)のアルゴリズムを使って、今年度の試験に出題されそうなカテゴリーを抽出する。RNNは、過去の時系列データからデータ間の相関関係を計算し、次のデータを予測するアルゴリズムである。
サイトビジットはRNNを用いたAIエンジンで18年の宅地建物取引士試験の問題を予想し、出題された問題のカテゴリーを78%的中させた実績がある。19年度の司法試験予備試験の短答式問題のカテゴリー的中率は60%強を見込む。
(日経 xTECH/日経SYSTEMS 安藤正芳)
[日経 xTECH 2019年4月25日掲載]