鴻海・郭氏の対中関係を問題視 民進党候補のライバル
【台北=伊原健作】台湾の頼清徳・前行政院長(首相)が25日に日本メディアと会見し、来年1月の総統選への出馬を表明した鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘董事長について「中国大陸で事業を手掛けながら台湾側の利益を代表できるのか、説明すべきだ」と指摘した。頼氏は与党・民主進歩党(民進党)の総統選の公認候補に名乗りを上げており、野党からの出馬を目指す郭氏と総統選で争う可能性がある。

頼氏は総統選を巡り、再選を目指す蔡英文総統と民進党の公認候補を激しく争っている。一方で鴻海の郭氏は17日に対中融和路線の最大野党・国民党からの出馬を表明し、両党の予備選の結果次第では総統選本選で頼氏と対決する可能性がある。頼氏は会見で、鴻海が「中国大陸で大きな事業を持ち、説明しなければ台湾の人々が懸念を抱く」と郭氏をけん制した。
また頼氏は日本と台湾は「運命共同体」だと指摘した。日本は石油など多くの資源を台湾海峡の海路を通じて輸入し、「台湾が(中国に)統一されれば日本にもリスクが及ぶ」と主張した。日台は中国の台頭という「共通の試練に直面している」とし、連携強化を訴えた。