2019年6月18日(火)

日銀、資金供給など柔軟に 緩和の副作用に配慮

経済
2019/4/25 23:09
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日銀は25日の金融政策決定会合で、超低金利政策の長期化に伴う副作用を和らげる施策も決めた。市場では日銀による大量の買い入れで国債や上場投資信託(ETF)が枯渇し、金融機関の取引に影響が出ている。市場機能の回復に向け、資金供給の代わりに受け入れる担保の要件緩和やETFの証券会社への貸し出しを実施する。金融緩和の持久戦に備える形だ。

13年に始まった異次元の金融緩和から6年がたち、市場では日銀の存在感が過度に高まっている。国債は日銀が年80兆円のペースで市場から買い入れた結果、銀行が持つ国債は2月に60兆円超と緩和前の4割以下に減った。

ETFも構図は似ている。日銀は年6兆円のペースで買い入れを続け、現在は時価ベースで約28兆円分を保有する。黒田東彦総裁によるとETFの7~8割程度を日銀が保有しているという。

日銀への集中は市場の機能を損なっている。銀行は日々の資金繰りを調節するために日銀から資金供給を受けるが、担保とする国債が手元に乏しい。ETFの枯渇も、証券会社による売買を難しくする面があった。

こうした副作用に対応するため、日銀は大きく分けて(1)金融機関への資金供給の円滑化(2)市場機能の確保、という2つの施策を打ち出した。

資金供給の円滑化では金融機関が差し出す国債が枯渇しないように、日銀が担保の対象とする債権を広げる。具体的にはより信用格付けが低い企業向けの貸出債権や、銀行が自己査定で「正常先」としている企業向け債権も担保にできるようにする。

市場機能の確保については、証券会社などの市場関係者にETFを一時的に貸し出す制度を新たに導入する。

東京証券取引所ではETFの売買をしやすくするため、証券会社や高速取引(HFT)業者が値付け(マーケットメーク)業者として、売りと買いの注文を常に市場に出している。投資家がETFの買い注文を出すと、値付け業者が売り手に回ることになる。

現在は投資家の買い注文に対応するため、値付け業者は一定量のETFを在庫として保有したり、売り注文を出す前に市場で現物株を買い集めて資産運用会社にETFを組成してもらったりする必要がある。

ETFを日銀から借りられるようになると、値付け業者は十分なETFを保有していなくても、大口の注文などに応じやすくなる。野村アセットマネジメントの奥山修氏は「ETF市場の流動性が大きく向上すると期待できる」と評価する。

日銀が副作用への配慮を打ち出したのは緩和の長期化が避けられないためだ。2021年度の物価上昇率の見通しは1.6%にとどまり、目標の2%には届かない。緩和を続けるうえでの支障をできるだけなくし、持久戦を続けやすくする。

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