橋田壽賀子(5)丸めがね
容姿を「悲観」 友人持たず 戦時下 もんぺと下駄で通学
[有料会員限定]
私は友人がいない女学生だった。誰かと話していても、相手の気持ちを害さないかとそればかりが気になる。好かれなくとも、嫌われるよりいいから、友達を持たないことにした。堺高女には食堂があったが、行ったことがない。弁当を一人で食べた。
黒板の文字が見えづらくなり眼鏡をかけたのは小学2年生のときだった。近所のおばさんが「壽賀子ちゃんのヒカンはどこ?」と聞いた。「ヒカン」は「悲観」で、劣等感のことだと思った...