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株価収益率13.83倍13.40倍
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機関投資家の節度(大機小機)

2019/4/25 18:00
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株式会社の重要な制度的特徴は、全出資者の有限責任である。株主は出資分を超えた負債の返済義務を持たない。このような制度のおかげで出資者は安心して株式を持つことができる。

ところがこの制度は株式会社の成立以来さまざまな問題を生み出してきた。有限責任制度を利用して、債権者の犠牲のもとで自己利益を図る株主が出てくるという問題である。日本では、有限責任の株主の無責任経営が問題になった時代もある。昭和初期のエコノミスト、高橋亀吉氏は著書「株式会社亡国論」で有限責任がもたらす株主の無責任に警鐘を鳴らしている。

内外の機関投資家の所有比率が高まっている。大株主の上位10位に顔を出す機関投資家も増えてきた。このクラスの大株主になるまで所有比率を高めれば、経営の結果に対して責任を持つのは当然である。それだけ大きな利益配分を受けているからだ。

ところが所有比率が高まっても大株主としての責任を自覚しない投資家が出てくる。ある意味でそれは当然のことだといえるかもしれない。与えられている権利を放棄するに等しいからである。

有限責任は株主の当然の権利だと考える投資家の所有比率が増えると深刻な問題が懸念される。自己資本を最小化し、負債を増やせとの声が大きくなるからである。

有限責任が自分たちの権利と主張する人々からすれば、自己資本を超える負債は返済する必要はない。世の中の常識では、返すつもりのない借金をするのは倫理的ではない。さすがに自己資本を最小化せよとは言いにくいので、自己資本利益率(ROE)を高めよという響きの良い要求をする。ROEを高める最も簡単な方法は自己資本を減らすことだ。機関投資家の所有比率が高まると、このような非倫理的な要求が大きくなる。株主のモラルハザードだ。

かつて日本の機関投資家の多くはサイレントパートナーとして行動し、自分たちの要求を経営陣に押し付けようとはしなかった。有限責任という特権を与えられた株主の当然の節度である。海外の機関投資家にこの節度を期待することはできるのだろうか。期待できないとすれば、モラルハザードをどのようにして抑えることができるのか。市場管理当局の知恵の使いどころである。(猪突)

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