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思い乱れる遺族・被害者 尼崎脱線、現場で初の慰霊式

乗客106人と運転士が死亡し、562人が重軽傷を負った兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故は25日で発生から14年がたった。事故現場に完成した慰霊施設「祈りの杜(もり)」で初めて追悼慰霊式が営まれた。「電車の音が聞こえ、慰霊している実感が湧く」「事故当時の気持ちに戻ってしまった」。それぞれの人生を一変させた現場に立った遺族や被害者の受け止めは様々だ。

電車が衝突したマンションを訪れ、手を合わせる人たち(25日午後、兵庫県尼崎市)

2両目に乗車して重傷を負ったイラストレーター、小椋聡さん(49)は「献花の時に電車の音が聞こえて事故現場で慰霊している実感が湧いた。花を手向ける場所はやはりここだと思う」と話した。JR西日本は2018年まで尼崎市内のホールで慰霊式を開いてきた。20年以降も現場での開催を続ける予定だ。

おじの岡和生さん(当時37)を亡くした専門学校生、田中元輝さん(21)は初めて事故現場を訪れた。「今までどこか遠くに感じていた事故が身近に思えるようになった」と語る。遺族の高齢化も実感するといい「これからは自分たちの世代が語り継がないといけない」と思いを新たにした。

一方、次男の昌毅さん(当時18)を事故で亡くした上田弘志さん(64)は「警笛が聞こえないように耳を塞いだが、14年前の事故当時の気持ちが戻ってきてしまった。現場での慰霊式はつらい」と涙ながらに語った。

3両目で重傷を負った兵庫県伊丹市の玉置富美子さん(69)は「電車の音が聞こえ心が押しつぶされそうで苦しかった。長くはいられない」と話した。事故後はリハビリ生活を余儀なくされ「14年間は楽しめた時間も少ない」と振り返る。18年9月に現場に完成した慰霊施設「祈りの杜」について「あまりにもきれいに整備され、事故の悲惨さが伝わらないのではないか」と述べた。(高橋彩、大畑圭次郎、島田直哉)

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