4年ぶり社長交代の北電、新トップに託す対話路線

2019/4/25 10:50
保存
共有
印刷
その他

北海道電力が4年半ぶりのトップ交代に踏み切る。藤井裕副社長(63)を社長に昇格させ、真弓明彦社長(64)は会長に就く。昨年9月の胆振東部地震に伴う全道停電(ブラックアウト)の再発防止だけでなく、泊原子力発電所(北海道泊村)の再稼働や新電力への顧客流出など課題は山積。多分野の経験を持つ藤井氏の起用で社内外との調整を進める狙いがある。

地震に伴うブラックアウト(全道停電)は北電の供給体制が批判を浴びた(18年9月、函館市)

藤井氏は工務分野でも電力ネットワークを維持する送電部門の経歴が長く、温和な人柄で室蘭支店長や人事労務部など社内外の対話、調整役として知られてきた。

北海道は全国で最も新電力のシェアの高い地域で、顧客の争奪戦は激しい。東日本大震災後に停止した泊原発の再稼働の議論が進まず、燃料費のかさむ火力発電への依存度を高めた北電が電気料金にコストを転嫁したのが主な要因だ。

原子力規制委員会が活断層の存在を「否定できない」と指摘した泊原発の再稼働に向けては規制委との意思疎通だけでなく、道や周辺自治体との調整も不可欠。新電力に流れた顧客を取り返すには、大口顧客のニーズをきめ細かくくみ取る対応力も問われる。藤井氏は社内の送配電カンパニーの社長も兼務しており、発送電の法的分離への移行にも取り組む。

18年の地震後に発生したブラックアウトでは、1カ所の火力発電所に過度に依存していた供給体制が批判を浴びた。真弓社長はその後、大型の火力発電所の新設や本州との緊急送電線の増強など重要事業にメドをつけた。

一方、退任が見込まれる佐藤佳孝会長(69)は病気療養のため18年の株主総会を欠席するなど「体調面の不安があった」(北電関係者)とされている。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]