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ボーイング機運航停止の影響広がる 再開めど立たず

【ニューヨーク=中山修志】米ボーイングの新型機「737MAX」の墜落事故の影響が広がっている。ボーイングは24日、同機の運航停止の影響が見通せないとして2019年12月期の業績予想を取り下げた。米アメリカン航空などは8月まで同機を欠便にすることを決めた。運航再開のめどは立っておらず、部品メーカーの生産体制などにも影響が及ぶ。

ボーイングが発表した19年1~3月期決算は純利益が前年同期比13%減だった。3月半ばに737MAXの出荷が止まったことで、商用機の引き渡しが前年実績から約2割減少した。出荷停止の長期化に備え、4月中旬から同機の生産ペースを約2割引き下げた。

デニス・ミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)は決算会見で「(事故原因とされる)機体制御システムの修正ソフトを米連邦航空局(FAA)に申請するための最終調整を進めている」と説明。運航再開の見通しについては明言を避けた。

航空機はサプライチェーン(供給網)の裾野が広く、737MAXには600社を超える企業が素材や部品を供給している。米ウェルズ・ファーゴ証券は同機の減産で4~6月期の米GDP成長率が最大0.2ポイント低下する可能性があると試算する。

電子部品などの主要サプライヤーであるユナイテッド・テクノロジーズは1~3月期の決算発表で、減産が年内いっぱい続いた場合、同社の19年12月期の1株利益が約5%減少するとの見通しを示した。アメリカン航空やサウスウエスト航空は当初4月ごろまでとしていた同機便の欠航予定を延期し、8月までの運航スケジュールから外した。

3月10日のエチオピアでの2度目の墜落事故を受けて、FAAは同13日に同機の運航停止を命じた。航空業界では当初、運航停止の期間は1~2カ月にとどまるとの見方が多かった。

ボーイングはエチオピア当局による事故調査の暫定報告を待たずに、いち早く機体制御システムのソフトの修正に着手した。航空アナリストや市場関係者はFAAが1カ月程度で修正版のソフトを承認し、程なく運航再開を認めるだろうと予想していた。

だが、事故後の運航停止の判断が遅れたことや、737MAXの安全性の認証に関する批判が強まり、FAAには国内外から厳しい目が向けられるようになった。FAAのエルウェル局長代行は3月下旬の米上院の公聴会で「事実とデータ分析に基づいて適切だと判断した場合にのみ、再開を認める」と証言した。

航空業界ではここに来て、運航再開には最長で9カ月程度かかるとの見方も出始めた。FAAは29日から737MAXの安全性について再評価を開始する。評価チームには米航空宇宙局(NASA)のほか、中国、欧州連合(EU)、カナダ、日本などの航空当局も加わる。

エチオピアの事故後、中国やEUの航空当局は米国の判断を待たずに運航停止を決定した。FAAは合同チームで安全性の評価に当たることで各国当局と歩調を合わせ、運航再開に向けた国際的な流れにつなげたい考えだ。

ボーイングの商用機全体の7割を占めていた737MAXの受注は3月以降止まったままだ。主力機の不在が長引けば、長年にわたって世界シェアを競ってきた欧州エアバスの独走を許す可能性がある。

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