2019年6月16日(日)

英、5Gでファーウェイ参入を一部容認へ 携帯会社に配慮

ヨーロッパ
モバイル・5G
2019/4/25 2:16
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【ロンドン=佐竹実】英政府は次世代通信規格「5G」のネットワークについて、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の参入を限定的に認める方針を固めた。英メディアが24日に報じた。英携帯大手はすでに同社製品を使用しており、全てを交換すれば費用がかさむ上、5G整備が遅れると判断した。安全保障を理由に全面排除を求める米国との溝が生まれかねない。

英国は5Gへのファーウェイ参入を部分的に認める方針

英国は5Gへのファーウェイ参入を部分的に認める方針

英国家安全保障会議はファーウェイに関し、ネットワークの中核部分からは排除するが、携帯電話と電波をやりとりするアンテナなど中核以外の部分については参入を認める方針で一致した。ただ一部の閣僚は懸念を示したという。ファーウェイは報道を受け「英国の企業や消費者は当社の先進的な技術による最も速くて信頼できるネットサービスを受けられる」とのコメントを出した。

英政府は5月中にも、ファーウェイの扱いを含めた5Gに関する指針を示す予定だ。英デジタル省は24日、日本経済新聞に「国家安全保障会議が協議しており、適切な時期に公表する。通信ネットワークは安全性が最も重要だ」と述べた。

米国は安全保障上の懸念があるとしてファーウェイ製品の排除を同盟国に呼びかけている。排除しない場合は共有する機密情報に制限を設けることも辞さない構えだ。英紙フィナンシャル・タイムズによると、米国家安全保障局のサイバーセキュリティーアドバイザーはファーウェイ参入を一部認める英の方針について「英国の決定によって我々の情報が危険にさらされることはあってはならないし、英国もそれを分かっている」とけん制した。

米と軍事機密を共有する「ファイブアイズ」の一員である英がファーウェイの部分的な参入を検討する背景には、携帯会社によるコスト負担への配慮がある。

英では通信大手BTグループ傘下のEEやボーダフォンなど、携帯大手の多くが現行規格の4Gですでにファーウェイを採用している。5Gでファーウェイを全面的に排除すれば既存の設備を全て交換することになり、巨額の費用がかかる。

英携帯大手スリーのデビット・ダイソン最高経営責任者(CEO)は3月、地元紙に「我々はすでに5Gの整備を始めており(ファーウェイの)排除は5Gのサービス開始を1年以上遅らせることになる」と指摘。ボーダフォン・グループのニック・リードCEOもファーウェイについて「通信業界のサプライチェーン(供給網)で重要な役割を担っており、事実と証拠に基づく評価が必要だ」と述べた。

ファーウェイについてドイツは明確な態度を表明していないほか、イタリアは同社との連携に前向きな姿勢を見せており、欧州の足並みはそろっていない。英国の判断は欧州各国にも影響を与える可能性がある。

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