親ロ派支配地域住民に国籍 プーチン氏、大統領令署名
ウクライナに揺さぶり

2019/4/25 1:18
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【モスクワ=小川知世】ロシアのプーチン大統領は24日、ウクライナ東部の親ロ派武装勢力が実効支配する地域住民のロシア国籍取得を簡略化する大統領令に署名した。ウクライナでは21日の大統領選で政治経験のないコメディアンのゼレンスキー氏が勝利した。同氏がロシアとの紛争解決に意欲を示す中、国籍付与で支配を強め、揺さぶりをかける狙いとみられる。

ウクライナ東部ではロシアが支援する親ロ派武装勢力との紛争が続く(4月、東部ドネツク州)=AP

ウクライナは「ロシアによる侵略の続きだ」(クリムキン外相)と反発し、国連安全保障理事会での協議を訴えている。

大統領令によると、ウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両州で親ロ派支配地域の住人を対象にロシア国籍とパスポートを従来より簡単に取得できるようにする。通常は婚姻や就労などの理由が必要で審査に数年かかっていたが、今後は申請書提出後、3カ月以内に短縮する。対象はウクライナ人口の1割に当たるとも推計される。

プーチン氏は24日「住人は完全に公民権を奪われており、すでに許容範囲を超えている」と人道目的だと強調した。「新政権と問題を起こす意図はない」とも主張した。

ゼレンスキー氏の事務所は24日、「ロシアの侵略を示す動きで、戦火を止める目標に逆行する」とロシアを非難するコメントを発表。「国際社会で対ロ制裁圧力が高まると期待する」と訴えた。 大統領選で当選したゼレンスキー氏は東部の親ロ派勢力による実効支配を認めず、紛争解決へロシアと対話の用意があるとしている。ロシアは政権移行期に圧力を強め、同氏の出方を探る思惑とみられる。18日にはウクライナへの石油製品などの輸出を許可制にする制裁強化を発表していた。

同国東部では2014年からロシアが軍事支援する親ロ派勢力が一部地域を支配し、紛争が続く。国連によると、紛争でこれまでに約1万3000人が死亡した。同地域とロシアが併合を宣言した南部クリミアでは大統領選の投票が実施されなかった。

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