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同僚はロボット 貴重な「人材」

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たかしくん、みどりちゃん、真之介――。人の名前でなく、工場で人と一緒に働く協働型ロボットの愛称だ。空気圧機器を製造販売するコガネイ(東京都小金井市)の長野県の駒ケ根事業所で稼働し、従業員は「なくてはならない存在」と信頼を寄せる。

深刻な人手不足が労働現場を変えている。ロボットが人の「同僚」として働く社会が到来しつつある。従来の産業用ロボットと違い安全柵が不要で、狭い場所でも設置できるのが特徴だ。

同事業所では7台を導入し、人間の代わりに組み立て工程などで稼働する。採用難に合わせて従業員の高齢化も進み、「身体機能が衰えないロボットが単純作業を担ってくれる」と松崎昌俊工場長は話す。導入費用は1台約1千万円。ロボットはカワダロボティクス(東京・台東)の双腕型「NEXTAGE(ネクステージ)」で、100社以上に導入済みという。

煎餅などを製造する三州製菓でもカワダロボティクスのロボットを導入。「調子はどうかな。今日も一緒に働いてくれるかな?」と従業員が見守る。(埼玉県春日部市)

煎餅などを製造する三州製菓(埼玉県春日部市)は従業員の残業時間を減らしながらも生産性を高める働き方改革のために活用している。人間と同じような形をしており、「従業員が違和感を感じずに一緒に働ける」と斉之平伸一社長は話す。

ロボット背面には「さぶちゃん」と名前が記されていた(埼玉県春日部市の三州製菓))

調査会社の富士経済(東京・中央)によれば、国内の協働型の市場は2017年の67億円から25年に1000億円まで成長すると予測する。

日本市場の拡大に目を向け、海外企業も攻勢をかける。世界シェア5割のデンマークのユニバーサルロボットは自動車業界への導入から始まり、中小企業への売り込みを狙う。

次々とラインに流れてくる歯磨き粉を箱に入れていくユニバーサルロボット製のロボット。人と接触すると停止する安全装置が備えられている(相模原市の日本ゼトック相模原事業所)

今年1月から同社製6台を活用する歯磨き粉製造の日本ゼトック(東京・新宿)の相模原事業所の担当者は「時給を上げても人が集まらない」と導入経緯を明かす。今後は台数を増やし、余った人材を他の作業に振り替える。

パソナグループが実証実験で家庭に派遣する予定のロボットの改良が進む(写真左)洗濯物を取り出し、干す、たたむまでの一連の動作が可能だ(川崎市高津区のミラロボティクス)

人材大手のパソナグループは20年にもロボット派遣に乗り出す。スタートアップ企業に出資し、遠隔操作の家事支援ロボットの実験を行う。1人で複数台の操作が可能になれば「人の派遣よりも生産性が3倍になる」(森本宏一副社長)。将来は介護施設や保育園への導入を視野に入れる。

   写真・文 中尾悠希、山本博文

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