2019年7月22日(月)

世界のM&A金額、1~3月2割減 米中摩擦が重荷

2019/4/24 20:30
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世界のM&A(合併・買収)市場に減速感が出ている。2019年1~3月の総額は約9600億ドル(約107兆円)と前年同期に比べ2割減った。米中貿易摩擦などをきっかけに景気の先行きが不透明になり、積極的な買収が手控えられた。市場の中心は、逆風に備えた事業再編など、「守り」のM&Aに切り替わりつつある。

調査会社リフィニティブが集計した。1~3月のM&Aの件数は2割減の約1万件で、1~3月としては5年ぶりの低水準だった。18年まで拡大が続いてきたが、ブレーキがかかった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券でM&Aアドバイザリー部門を率いる別所賢作氏は「18年末の株安の影響で、経営者の企業買収へのマインドが一時的に後退した」と指摘する。

ドイツ銀行のM&Aアジア・パシフィック統括のマヨラン・エラリンガム氏も「米金利の乱高下や中国景気の減速懸念の影響が出た」と指摘する。

案件の大型化傾向は続いた。年初には米製薬大手ブリストル・マイヤーズスクイブが米バイオ製薬大手を934億ドル(負債含む)で買収すると発表した。3月末にはサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが、同国の石油化学大手を691億ドルで買い取ることで合意した。日本企業でもブリヂストンがオランダの車両データ会社の買収を決めた。

もっとも、4~6月以降は持ち直し、19年通年では高水準になるとの見方も多い。世界景気の先行きが不透明になり「企業経営者がかえって非中核事業の切り離しや国内での業界再編に前向きになりやすい」(野村証券グローバル・ヘッド・オブM&Aの角田慎介氏)とみられる。

ドイツ銀のエラリンガム氏も「中国景気も政府による刺激策で持ち直し、M&Aの活動は回復基調をたどる」とみる。低金利が継続し、企業買収への融資が引き続き緩和状態であることもM&Aを後押ししそうだ。

(和田大蔵)

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