2019年5月22日(水)

香港「雨傘運動」発起人に実刑判決 禁錮1年4月 民主派、展望開けず

中国・台湾
2019/4/24 14:38
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【香港=木原雄士】香港の地方裁判所は24日、2014年の大規模デモ「雨傘運動」の発起人らに道路占拠などを違法に企てた罪で、禁錮8月~1年4月の実刑判決を言い渡した。運動がめざした行政長官選挙の民主化は実現しておらず、中国当局は香港の政治活動の締め付けを強めている。民主派は若者の間で影響力が低下し、展望が開けない状態だ。

雨傘運動の発起人、戴耀廷氏(中)は実刑判決を受けた(24日、香港)=ロイター

実刑判決を受けたのは金融街を占拠する「オキュパイ・セントラル」を発案した戴耀廷・香港大学准教授や陳健民・元香港中文大学准教授ら4人だ。香港メディアによると、これまでに雨傘運動に絡み1000人以上が逮捕され、司法手続きは大きな山場を越えた。

香港の憲法にあたる香港基本法は言論やデモの自由を保障しており、欧米からは批判が出ている。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは「実刑判決は正義や人権への挑戦だ。政府は民主主義を抑え込むために法律や司法制度を悪用するのをやめるべきだ」と指摘した。米国の駐香港総領事館の報道官は「基本法に明記された基本的な自由の行使を妨げる可能性がある」と述べた。

もっとも、当事者である香港市民の関心が高いとはいえない。香港大学の世論調査によると、雨傘運動が起きた14年は市民の2割が「政治問題を最も懸念している」と答えたが、この比率は足元で13%まで低下した。政治より住宅など身の回りの問題への関心が高い。雨傘運動が成果を得られずに終わり、伝統的な民主派と距離を置く若者も目立つ。

判決が出た24日、裁判所には運動のシンボルだった黄色の傘を持った支持者が集まり声援を送った。陳健民氏は香港に高度な自治を保障した一国二制度を念頭に「一国の専制に対して香港の二制度を守り続けよう」と呼びかけたが、先行きは険しさを増している。

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