2019年8月25日(日)

フリーランスIT人材と大手企業を仲介 ギークス

日経産業新聞
2019/4/25 6:30
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

フリーランスのIT(情報技術)人材仲介を主力事業とするギークスが3月に上場した。人材サービス「ギークスジョブ」にはウェブやアプリ、ゲームなど様々な分野の開発で即戦力となるスキルを持つ技術者が登録し、IT技術者の需要拡大を追い風に収益を伸ばしている。曽根原稔人社長に今後の戦略を聞いた。

ギークスの曽根原稔人社長

ギークスの曽根原稔人社長

――上場の狙いは。

「新規株式公開(IPO)を通じてフリーランスという働き方を広め、フリーランス市場の拡大に寄与したいと思っている。フリーランスは今でこそ注目されているが、当社はそれ以前の2007年に会社を設立し、早い時期からフリーランスを応援してきた」

――IT人材の不足は当面続くとみていますか。

「IT人材の不足は一段と拡大し、各社とも人材の確保に動くだろう。これまでは社員として採用して囲い込むことができていたかもしれないが、時代は変わりつつある」

「フリーランスで働く人は増えており、企業側もフリーランスの活用策を考える必要がある」

「企業側の需要は強く、IT人材事業の売上高は毎年15%から20%の成長を見込んでいる。当社のサービスにはウェブやスマートフォンアプリなどの開発技術を持つITフリーランスが登録しており、累計登録者数は約1万5000人。フリーランスをシェアし合うことで需給ギャップを埋めていけるのではないか」

――フリーランス人材にとってのメリットとは。

「フリーランスは会社員と異なり、営業やバックオフィス機能を自分で担わなくてはならない。当社のサービスでは企業とギークスが契約し、ギークスからフリーランスに業務委託料を支払う方式だ」

上場日には多くの社員が東証に集まった

上場日には多くの社員が東証に集まった

「営業や契約のリーガルチェックなどは当社が担い、フリーランスの煩雑な業務を軽減する。登録者は確定申告セミナーや人間ドックの割引などの福利厚生プログラム『フリノベ』も利用できる」

――調達資金の使途は。 「フリーランスの登録者を増やすためのマーケティング費用や設備投資、フリーランスをサポートする人材の増強に充てる」

――IT人材事業だけでなく、ゲームやIT人材育成など複数の事業を展開しています。

「会社設立後にリーマン・ショックを経験し、法人向け事業を中心に顧客が半減した。一本足で立つこと怖さをそこで感じた。収益の中心はIT人材事業だが、5事業すべてを伸ばしていきたい。ゲーム事業でITフリーランスを活用したり、IT人材育成事業で学んだ人が将来フリーランスになったりといった事業間のシナジー効果もある」

■利便性の向上が重要

IT人材の不足は深刻で、フリーランスの活用に注目が集まっている。経済産業省の調査ではIT人材は2016年の時点で約17万人不足しており、30年には不足人数が最大で78万9000人に達すると予想されている。

この解決策として企業側は、繁忙期や開発工数の多いプロジェクトでのフリーランス活用を模索し始めている。

07年設立のギークスはITフリーランスの人材紹介で先駆け的な存在だ。顧客企業を柔軟に変化させながらリーマン・ショックを乗り切り、事業基盤を築いてきた。

主力のIT人材事業は、ITフリーランス人材が自身の得意な技術やこだわりを細かく指定して検索できるのが特色。開発段階の中で最も人材が必要とされる設計やプログラミング実装など「本開発工程」を中心にマッチングしている。

今後は成長市場と判断した他社の参入が増え、競争が一段と激しくなる可能性もある。ITフリーランスにとっての利便性を常に高め、選ばれ続ける企業であることが事業拡大には欠かせない。

(企業報道部 佐藤史佳)

[日経産業新聞2019年4月23日付]

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