島が育むアート、世界が注目 瀬戸内国際芸術祭
26日開幕、32カ国・地域から参加

2019/4/25 11:00
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瀬戸内の島々をアートが彩る祭典、瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)2019が26日、開幕する。アジアや欧米の芸術家による現代アートと、過疎化が進んだ島々の魅力・歴史の融合により地域の「復権」を目指す芸術祭も今回で4回目。今や世界が注目する「SETOUCHI」に11月までの会期中、海外からの数十万人を含む100万人超が来場する見込みだ。

瀬戸芸はJR高松駅近くのイベント会場、サンポート高松(高松市)で26日午前10時30分から開かれるオープニングイベントで開幕する。11月4日まで春、夏、秋の3会期、107日の会期中、32カ国・地域から集まった200組以上の芸術家が離島などの会場で90の新作を含む過去最多の213の作品を展示する。

会場の一つ、女木島で披露されるのが新作「島の中の小さなお店」プロジェクトだ。かつて海の家としてにぎわったが30年以上使われていなかった海沿いの建物を「店」に見立て、芸術家たちがカフェやコインランドリー、古本屋などを展開する。

その中の一つが原倫太郎氏と原游氏が制作した「ピンポン・シー」。海の生き物やサーファーを描いた色彩豊かな空間で卓球を楽しめる。カラフルな板を組み合わせた卓球台は、球が当たると木琴のような音が鳴る。板ごとに音の高低が異なり「卓球をすると現代音楽のような音色が奏でられる」(原倫太郎氏)。卓球を通じてアートを体験できる。

新作には島の自然を味わう空間作品もある。台湾の芸術家、王文志氏が小豆島で手がけた「小豆島の恋」は、約4000本の竹を使うドーム型作品。中央に小豆島産の石を寄り添うように2つ並べ、人々の縁を表現する。中では寝そべって鑑賞でき、竹の隙間から差し込む光やそよ風、外を流れる川のせせらぎといった自然の息づかいを肌で感じることができる。

瀬戸芸は島の歴史を広く知ってもらう絶好の機会でもある。ハンセン病の療養所がある大島では新たに8つの新作を展示し、今回から一般旅客向けの定期航路が開設される。ノルウェーの有名女優、リヴ・ウルマン氏が出演する映像作品では、隔離の過去を経て大島に満ちる「希望」を発信する。

海外からの参加者・入場者が増え、国際的な知名度が高まる瀬戸芸。地域発世界へ、さらなる飛躍が期待される。(桜木浩己)

「小豆島の恋」は竹を約4000本使い開放感のある空間に(香川県の小豆島)

「小豆島の恋」は竹を約4000本使い開放感のある空間に(香川県の小豆島)

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