自動運転のウェイモ、デトロイトに工場 一般車を改造

2019/4/24 1:46
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【シリコンバレー=中西豊紀】グーグル系の自動運転開発会社ウェイモは23日、一般車を自動運転車に改造する「工場」を2019年半ばに米ミシガン州デトロイトに構えると発表した。同地域では米ゼネラル・モーターズ(GM)が工場閉鎖を決めたばかり。自動車の町として栄えたデトロイトだが、自動運転の実用化で雇用の受け皿も新旧交代が起きている。

新拠点では通常の車を自動運転車に改造する

新たな拠点では欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と英ジャガー・ランドローバー(JLR)から調達した通常の車を自動運転車に改造する。人工知能(AI)ソフトやセンサーの組み込みが主な作業になるもようだ。

今回、ウェイモは地元アメリカン・アクセル・アンド・マニュファクチャリング社の既存の自動車関連工場を借り受ける。誘致をしたミシガン州の経済開発公社によるとウェイモの新拠点が稼働することで100人から400人規模の雇用が生まれるという。

デトロイトではGMが18年末にハムトラムク工場を閉鎖しており、部品メーカーを含めた関連産業での雇用減が懸念されていた。ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事は「ミシガンの人たちに雇用を生んでくれるウェイモを歓迎する」との声明を出した。

各種企業が自動運転技術の開発でしのぎを削るなか、実績では09年から事業に取り組むウェイモが先行している。18年12月からはアリゾナ州フェニックスで自動運転車を使った商用配車サービスを一部の利用者向けに開始。公道での走行試験距離はすでに1000万マイル(約1600万キロメートル)を超えている。

実用化が近づくなかでウェイモはFCAとJLRから8万台を超える車を調達する契約をすでに結んでいる。「自ら車をつくることはしない」(ジョン・クラフチック最高経営責任者=CEO)と公言してきたウェイモだが、車を改造するための拠点は必要と判断したもようだ。

ミシガン州を含めた米中西部はトランプ大統領の支持者が多く、同地域に本社を構えるGMやフォード・モーターは雇用にまつわる大統領の言動に配慮してきた。一方、ウェイモと同じ親会社のアルファベットに連なるグーグルは「民主党寄り」だとトランプ大統領に敵視されることが多い。

今回の新拠点は、従来型の企業では埋められない雇用をIT(情報技術)企業が肩代わりするという例になる。ウェイモは声明で「デトロイトでの未来の自動車産業づくりの一翼を担いたい」と強調した。20年の大統領選が近づき、シリコンバレーとワシントンの駆け引きもじわりと始まっているようだ。

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