日本のVC、インドの新興医療関連企業に19億円出資
SBIなど
【ムンバイ=早川麗】日本のベンチャーキャピタル(VC)がインドの医療関連企業に注目している。スマートフォン(スマホ)を使った遠隔医療サービスを展開する印スタートアップ、mfine(エムファイン)は23日、SBIインベストメントなどから1720万ドル(約19億円)を調達したと発表した。人口が多い同国は医療関連ビジネスの拡大が見込めるため、日本のVCによる投資は増えそうだ。

SBIのほか、日本人が創業したシンガポールを拠点とするBEENEXT(ビーネクスト)が新規に、既存株主のインドのVC2社が追加でそれぞれエムファインに投資した。各VCの出資比率は明らかにしていない。
エムファインは、患者がスマホを使って電話やビデオチャットで医師と話して診断を受けられるアプリを提供する。面談が必要な場合はオンラインで最寄りの病院で予約を取れる。2017年12月にサービスを始め、南部ベンガルールなどの100の病院と提携している。循環器内科や小児科など20の専門科の500人超の医師の診療を受けられる。
同社は調達資金を投じて、今後12カ月で提携先の病院を250に、医師を2500人に増やす。実際に医師の面談が受けられる地域もムンバイや東部コルカタなど10都市に拡大する。
日本のVCの間でインドの医療関連企業への関心は高まっている。ドリームインキュベータは運営するファンドを通じ、人工知能(AI)技術を活用した乳がん診断支援を手がけるニラマイ・ヘルス・アナリティクスに出資した。
インドは人口が多く国土が広い半面、医師不足も深刻だ。貧富の差が激しく、きちんとした医療を受けられず病気に苦しむ人も多い。IT(情報技術)を活用して、こうした問題の解決に取り組むスタートアップが旺盛で、日本のVCも有望な投資先として着目しはじめている。
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