2019年8月23日(金)

ベイスターズの人気復活 地域密着、ハマスタに誘客
神奈川平成史

2019/4/23 22:00
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神奈川県内には野球やサッカー、バスケットボールをはじめ多くのスポーツチームがあり、地域の活性化や一体感醸成に寄与している。中でもプロ野球のベイスターズは平成に入ってDeNA傘下となり改革を進め、今ではチケットが取りにくい人気チームになった。DeNAは「市民球団」の実現を目指す。

「企業名をなくし、地域の球団を目指す」。平成に入って5年目の1993年、当時のオーナーで大洋漁業(現マルハニチロ)の中部慶次郎社長のこの言葉が、ベイスターズの市民球団化の原点ともいえる。チーム名をそれまでの横浜大洋ホエールズから、横浜ベイスターズに変更した。

横浜スタジアムはチケットが取りにくくなっている(横浜市)

横浜スタジアムはチケットが取りにくくなっている(横浜市)

変更から5年後の98年には2度目の日本一となり、市民らも「自分たちのベイスターズが勝った」と歓喜した。だが、その後は最下位になるなど成績が低迷し、親会社の業績不振もあり、2002年にはTBS(現TBSホールディングス)にオーナーが代わった。そのTBSも10年弱で経営権を手放し、11年にDeNAがオーナーとなった。

当時、球団の収入は放映権に頼るところが大きく、球場にファンを呼び込む取り組みは弱かった。「当日、先発したピッチャーを見てから(試合中に)球場に足を運ぶほどチケットが余っていた」(球団関係者)。横浜スタジアム(ハマスタ)の座席稼働率も50.4%に落ち込んでいた。

オーナーになったDeNAは「継承と革新」を掲げ、ファンを増やし、球場に来てもらうための施策を相次ぎ実施した。球場外観をチームカラーの青色に統一して売店のメニューも刷新するなど、足を運びたくなる球場を目指した。

観客が試合に満足しなければチケット代を返却する「返金チケット」制度も設けた。試合に勝っても返金を求める客が出たが「まずは注目を向けてもらうこと」(同)と構わず実施した。

様々な工夫が奏功して観客数は増え、18年シーズンは200万人を超えた。買収当時の1.8倍だ。座席稼働率も97%まで伸び、11年には20億円以上あったという赤字も16年には黒字に転じた。

周辺地域にも波及効果が出ている。最寄り駅の関内駅周辺の飲食店にはベイスターズにちなんだメニューやグッズがあふれ、試合後に立ち寄るファンが増えている。

球団は今後も地域との結びつきを強める考えだ。球場のスタンド席増設と同時に19年に新設した豪華なテラス席は、同窓会や結婚式の2次会などに使ってもらう。20年には球場の周囲を一周する「回遊デッキ」を設けて市民に開放し、ジョギングや散策を楽しんでもらう。ハマスタは1年の3分の2以上の日は試合がないため「試合がなくても人が集まる」(岡村信悟社長)ことを目指す。

令和が始まってすぐの19年秋のラグビーワールドカップ、そして20年の東京五輪は神奈川県も会場になる。こうした世界的なイベントも生かしながら、スポーツで地域を盛り上げていく。

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