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カザフ次期大統領にトカエフ氏事実上内定 与党が候補選出、6月大統領選

【モスクワ=小川知世】旧ソ連のカザフスタンで23日、約30年にわたり国を率いてきたナザルバエフ前大統領(78)の与党が6月の大統領選挙の候補にカシムジョマルト・トカエフ大統領(65)を選出した。カザフは与党の1強体制にあり、トカエフ氏が次期大統領に事実上内定した。ただ、同氏はナザルバエフ氏の長女に権力継承するまでの中継ぎ役を担うとみる見方が多い。

与党「ヌル・オタン」党首のナザルバエフ氏が同日の党大会でトカエフ氏を代表候補に提案し、承認された。大統領選は6月9日に実施する予定。大統領の任期は5年で、初代大統領のナザルバエフ氏以外は3選が禁じられている。

トカエフ氏はナザルバエフ氏の3月の辞任表明を受けて、憲法の規定に従い上院議長から新大統領に就任した。ナザルバエフ氏の忠実な側近として知られ、大統領に就任後、首都アスタナの名称をナザルバエフ氏のファーストネーム「ヌルスルタン」に変更した。

23日の党大会では、ナザルバエフ氏が権力移譲を探っているとされる長女のダリガ上院議長は候補に指名されなかった。親族への露骨な世襲に対する批判を警戒し、中継ぎとして自らに忠実なトカエフ氏を登用したとの見方が多い。ナザルバエフ氏は将来的なダリガ氏の大統領就任も視野に「院政」を敷きながら、時間をかけて権力継承を進めるとみられる。

終身大統領と目されていたナザルバエフ氏が権力継承に動いた背景には、在職中に不慮の死を迎えた場合の政情不安定化への危機感がある。中央アジアの隣国ウズベキスタンではソ連時代から長期統治を敷いたカリモフ前大統領が在任中の2016年に死去。後任政権下で同氏の長女に対する汚職の追及が本格化した。

資源に依存した経済の停滞感が強まり、貧富の格差も拡大している。ナザルバエフ氏は自らが健在で影響力がある間に後継体制を固め、親族の権益と安全を確保する方向に動いたとみられている。2020年に予定していた大統領選を6月に前倒ししたのも、トカエフ氏が選挙で信任を得たと早々に示すことで、批判や混乱を避ける狙いがあるようだ。

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