2019年6月20日(木)

企業主導型保育所、定員半数割れ4割 会計検査院調べ

2019/4/23 17:54
保存
共有
印刷
その他

会計検査院は23日、国の助成を受けて運営されている「企業主導型保育所」の利用状況をサンプル調査した結果を明らかにした。全体の約4割が定員に対する児童数の割合(充足率)が5割未満だった。検査院は「助成の効果が十分に現れていない」として所管する内閣府に改善を求めた。同保育所をめぐっては各地で定員割れや休園などの事態が相次いでいる。

企業主導型保育所は認可外保育所の一種で、従業員の児童や地域の子供を受け入れる。国は待機児童対策の切り札と位置付け、2016年度以降に新設された施設に認可保育所並みの助成を実施している。予算として16~18年度に計約3800億円を計上し、18年3月末までに2597施設の助成が決まった。

検査院は18年10月時点で開設から1年以上がたつ保育所のうち、173施設を抽出して充足率を調べた。月平均の充足率が1年以上にわたり50%を下回ったのは72施設(調査対象の41%)。うち充足率が20%に満たないのは27施設(同15%)だった。

17年4月にオープンした東京都杉並区の施設(定員30人)は、18年10月時点で利用する児童が4人しかいなかった。運営会社は従業員の需要を確かめないまま定員を決めていたという。

検査院は計画通りに施設が整備されたかどうかも検証した。サンプルとして選んだ213施設のうち、17施設が予定された時期に開設されなかった。うち9施設(助成総額6億9198万円)は、国が定める設備の基準に合うか確認しないまま整備を進めた結果、設計を変える必要などが生じて開設が遅れた。

国の助成を受けられる企業主導型保育所は急速に整備された一方で、経営や運営の安定性に疑問のある事業者もみられる。内閣府の検討委員会は3月、改善に向けた報告書を公表。新規開設する保育事業者は5年以上の実績があることを条件とし、質の低い事業者の参入を排除するなどの見直しを提言した。

検査院が改善を求めた指摘について、内閣府は「真摯に受け止めたい。検討委員会で示された見直しと合わせて改善を図る」としている。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報