勝利のメンタリティー(山本昌邦)

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実力均衡 上位も気抜けず 今季J1、俊英も続々

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2019/4/25 6:30
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明治安田生命J1リーグは長丁場の戦いのほぼ4分の1を終えたところ。第8節終了時点でFC東京が6勝2分け(勝ち点20)の無敗で首位を走り、2位広島(同17)、3位名古屋(同16)と続く。一方、降格圏には17位仙台、18位鳥栖が勝ち点4で沈んでいる。とはいえ、現在の順位は仮のもので、上位も中位も下位もまったく気の抜けない団子レースが続きそうである。

志向が明確な大分、躍動感あふれる

驚きは昇格組の大分の奮戦だろう。8試合を戦って5勝1分け2敗の勝ち点16で4位につけている。チームをけん引するFW藤本憲明(29)は6ゴールを挙げ、アンデルソンロペス(札幌)、ディエゴオリベイラ(FC東京)と並んで得点王争いのトップに立つ。

といっても、大分の躍進は藤本の決定力に依存しているわけではない。チームとして志向するサッカーが明確にあり、そのフレームの中で藤本も輝けている。

大分のサッカーは実に大胆で、GKからポゼッションを始め、相手のプレスにひるむことなく、低い位置からボールを丁寧に運んでいく。それでいて、攻撃にもたつく感じはない。速さを追求すべきときはしっかりスピードアップしてゴールに襲いかかる。サッカー全体に躍動感があふれている。

昇格組の大分の奮戦は驚きに値する=共同

昇格組の大分の奮戦は驚きに値する=共同

2016年から大分の指揮を執る片野坂知宏監督は、コーチとしてそれまでG大阪時代に西野朗監督(前日本代表監督)、長谷川健太監督(現FC東京監督)、広島時代にペトロビッチ監督(現札幌監督)、森保一監督(現日本代表監督)に仕えた。その修業の成果を存分に発揮している感じだ。

偶然かもしれないが、現在の上位5クラブの監督はFC東京・長谷川監督、広島・城福浩監督、名古屋・風間八宏監督、大分・片野坂監督、鹿島・大岩剛監督と全員日本人指導者だ。チームづくりの方法論はそれぞれ違っても、共通するのは細やかな指導。自分たちの長所をどう出し、短所をどう隠すか、言葉の力を借りながらダイレクトに選手に伝えられる良さがある。選手を刺激したり、行動のスイッチを入れたりするのにロスが少ない。

好調のFC東京にしても、試合中はぴりっと締まった空気が漂う。長谷川監督の威令がチームの隅々にまで行き届き、最初から最後まで怠けさせることがない。攻撃も監督が強調する「ファストブレーク(速攻)」を昨季より巧みにこなせるようになっている。体が強くなって自分でボールを運ぶこともできるようになった久保建英の成長が、そこで果たす役割は大きい。

FC東京の攻撃で久保(左)が果たす役割は大きい=共同

FC東京の攻撃で久保(左)が果たす役割は大きい=共同

6月で18歳になる久保は守備でも成長の跡が見える。ここも長谷川監督に相当鍛えられたようだ。過去の例を見ると、2種登録(18歳以下)のユースチームに所属しながらJリーグに出場し経験を積んだ選手は、稲本潤一(当時G大阪)、阿部勇樹(当時千葉)、森本貴幸(当時東京V)のように後に日本代表へとステップアップしていった。こうやって「鉄は熱いうちに打て」るのがJクラブの育成の最大のメリット。鳥栖の松岡大起も久保と同じ17歳で、こういう選手がここに来て次々に現れるのは実に頼もしい。

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