2019年5月22日(水)

水道大手マニラ・ウオーター、首都マニラの長期断水を謝罪

東南アジア
アジアBiz
2019/4/22 19:30
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【マニラ=遠藤淳】フィリピンの水道大手マニラ・ウオーターは22日、定時株主総会を開き、首都マニラで3月から深刻な水不足が続いていることについて謝罪した。同社の管理や需要見通しに甘さがあり、マニラの一部では1日10時間以上の断水が今も続く。フェルナンド・ゾベル・デ・アヤラ会長は総会で「不手際には責任を持って対応していく」などと述べた。

断水のため、バケツを手に給水車に集まる人々(3月、マニラ)=AP

現在、断水の影響を受けているのはマニラの約100万世帯。マニラの人口約1200万人の半数の600万人超に上る。マニラ・ウオーターは断水地域に給水車を送るなどして対応しているが不便を強いられ、水不足の病院の中には患者の入院を断る所も出ている。断水は雨期が始まる6月ごろまで続く見通しだ。

マニラ・ウオーターは大手財閥アヤラのグループ企業。株主総会ではアヤラ社長でもあるフェルナンド氏が冒頭、「水不足で利用者に迷惑をかけている。あらゆる可能な施策をとり、以前のような高いサービス水準に戻したい」と述べた。

16日には水道事業を担当する幹部が辞任した。マニラで水を供給する他の大手水道会社では断水を実施していない。

マニラでは、3月に入り取水源の一つであるラメサ・ダムの水位が危機的とされる水準以下に低下した。1998年以来の低さになっている。これを受け、マニラ東部の水道事業を担うマニラ・ウオーターは3月中旬、管轄する全域で1日6~21時間の計画断水の実施に踏み切った。

水不足の根本的な問題は、同社の水道需要の見通しが甘かったことがある。経済成長を見越して、新しいダムの建設など取水源の確保を長期に怠ってきたことなどが、市民や議会から批判されている。一方、マニラ・ウオーターは現在の水不足はエルニーニョ現象の影響だと説明した。

新たな取水源の確保に向け、港湾運営大手インターナショナル・コンテナ・ターミナル・サービシズ(ICTSI)会長のエンリケ・ラゾン氏率いるインフラ企業がラメサ・ダム近くの廃ダムの再生を目指す意向を表明している。マニラ・ウオーターはこの計画に賛同しており、将来の給水体制を拡充したい考えだ。

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