18年度の粗鋼生産1.9%減 設備トラブルで低水準

2019/4/22 14:41
保存
共有
印刷
その他

日本鉄鋼連盟が22日発表した2018年度の国内粗鋼生産量は1億288万9千トンだった。前年度を1.9%下回り、2年連続で減少。リーマン・ショックの影響で低迷した09年度に次ぐ低水準だった。JFEスチールなどの高炉で設備のトラブルが相次ぎ、生産を停止した影響が響いた。自動車向けや東京五輪を見据えた再開発で鋼材需要は増えたが、トラブルで好況を生かせなかった。

JFEスチールの高炉トラブルによる生産の停止が響いた(西日本製鉄所福山地区)

内訳は高炉でつくる「転炉鋼」が3%減の7685万トン、電炉でつくる「電炉鋼」が1.8%増の2603万トンだった。

JFEスチールは国内の主要4カ所の製鉄所のうち、3カ所の高炉でトラブルが発生した。10月に西日本製鉄所倉敷地区(岡山県倉敷市)の高炉が生産を停止。同福山地区(広島県福山市)、東日本製鉄所千葉地区(千葉市)でも生産が止まった。一部の高炉で復旧が想定より大幅に遅れたことで、18年度の減産影響は180万トンと2月公表時からさらに増加した。

日本製鉄(旧新日鉄住金)も老朽化した和歌山製鉄所(和歌山市)などでトラブルが発生。大分製鉄所(大分市)でも歩留まりが悪化した。

国内粗鋼生産は17年度も各社の設備トラブルで低迷した。国内は操業から数十年が経過する設備も多く、老朽化に加え、高い稼働が続くなかで設備負荷が高まっている。

同日発表した3月の粗鋼生産量は微減の908万トン。7カ月連続の減少だが「月次で900万トンの水準を回復し、トラブル影響はほぼ解消されている」(鉄連)とする。

19年度の内需は増加するとみられる。経済産業省は19年4~6月期の粗鋼生産量が微増になるとの見通しを示した。国内の建設需要が引き続き底堅いことや、自動車需要の増加を予想している。

懸念は米中貿易戦争の長期化や中国の景気減速だ。鉄連の北野嘉久会長は「中国の減速が鉄鋼業に与える影響を注視する」と話す。

(川上梓)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]