2019年5月25日(土)

米、イラン原油全面禁輸か 日中印などの猶予撤廃方針

トランプ政権
中東・アフリカ
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2019/4/22 9:47 (2019/4/22 12:37更新)
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【ワシントン=中村亮】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は21日、トランプ政権がイラン産原油の輸入を各国に認める特例措置を5月2日で打ち切る方針だと報じた。日本や中国、インド、トルコなど8カ国・地域が対象になる。イラン産の輸入を継続すれば米国の制裁対象となるため各国は調達を手控える公算が大きい。禁輸措置は原油価格の上昇につながるリスクもある。

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同紙によると、ポンペオ国務長官が22日に発表する予定だという。イランからの供給減はサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)の増産で補えるとの見方を示し、原油市場の需給は2019年にかけて緩むとの見通しも語るもようだ。

18年12月、ペルシャ湾とアラビア海を結ぶホルムズ海峡を通過する原油タンカー=ロイター

18年12月、ペルシャ湾とアラビア海を結ぶホルムズ海峡を通過する原油タンカー=ロイター

米政権は18年11月にイランの石油部門を経済制裁の対象に加え、原油輸入をゼロにするよう各国に求めた。だが禁輸は原油高を招く恐れもあり、日中韓やインド、台湾、トルコ、ギリシャ、イタリアの8カ国・地域に制裁を適用せず輸入継続を認めた。制裁の適用除外は180日ごとに見直すルールがあり、5月2日がその期限にあたる。

米国は、イランが原油売却で得た収入を弾道ミサイルの開発や、シリアやレバノンの武装勢力支援に利用していると批判する。中東情勢の混乱を招き、同盟国イスラエルの脅威になっているとみる。国際エネルギー機関(IEA)によると、2月のイランの原油生産量は274万バレルで、1年前に比べ3割減った。

報道を受け、原油価格の国際指標となるニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物は時間外取引で上昇した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物は日本時間22日午前、一時前営業日(18日)に比べ1.80ドル以上高い1バレル65.80ドル台まで上げた。

イランの原油輸出量は日量100万バレルと世界の需要の1%にあたるとの見方がある。米政権はベネズエラに制裁を科して供給が減ったほか、石油輸出国機構(OPEC)や非加盟国のロシアなどは国家財政の悪化につながる原油安を嫌って協調減産をしてきた。

中国やインド、トルコなどが米国の要請に従うかも不透明だ。米国の制裁対象になると、イラン産原油を輸入した企業や取引を仲介した金融機関が米ドルを取り扱えなくなったり、米国内の資産が差し押さえられたりする。一方、ドルを取り扱わない金融機関や米国でビジネスをしていない企業は制裁の対象外でイランとの取引を継続できる。

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