肉にも根付くご当地ブランド
(あのまちこの味)

関西タイムライン
2019/4/28 6:00
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 日本経済新聞大阪夕刊の「もっと関西」は、2019年5月7日付から「関西タイムライン」(KANSAI Timeline)に生まれ変わります。タイムラインは過去から今、未来への移り変わりを意味します。私たちが働き、暮らす関西について多角的に報じてきましたが、これからもさらに魅力を追求していきます。毎週水曜日に掲載してきた各地の名物・名産「あのまちこの味」の中から、一部を紹介します。

淡路ビーフ(淡路市)

適度な霜降り島で味わう

淡路ビーフは日本の高級肉牛のルーツとなる淡路島産まれの但馬牛だ。その他の牛を含む淡路牛とは別物で、認定されるのは年間約100頭ほど。ほぼ島内で消費される知る人ぞ知る存在だが、「レストラン大公」(兵庫県淡路市)では淡路ビーフ目当ての外国人客が増えている。「神戸ビーフより好きです」と話す中国人観光客はレンタカーを示す「わ」ナンバーのクルマを大阪市内から運転してまで食べにきた。

上質な霜降りときめ細かな赤身のバランスがとれた味わいが特徴だ。認定基準の一つは霜降りの割合が12段階評価で4以上。同じ但馬牛の神戸ビーフは6以上だ。価格は霜降りの多さやブランド力が左右するため、都市部で食べる神戸ビーフより、ほぼ半値で食べられることも。

ただ「おいしさは霜降りの量だけでは決まらない」(ブランド化推進協議会の浜中健一さん)。最近の消費者は昔ほど霜降りが多い牛肉を好まないからだ。程よい上質な牛肉を手ごろな価格で楽しめる。淡路島に足を運ぶ、新たな目的になりそうだ。

(大阪経済部 宮住達朗)

=2018年11月28日付掲載

播州百日どり(兵庫県多可町)

豊かなうま味、好感呼ぶ

100日間という通常の2倍の時間をかけて育てる鶏「播州百日どり」。程よい歯応えと豊かなうま味が特徴で、兵庫県多可町のブランド鶏として人気が高い。

日本生まれの「白色コーニッシュ」とフランス生まれの赤鶏「レッドブロM」を掛け合わせ、加美町農協(現JAみのり)が1978年に開発した。一般的な鶏は生育50日程度で出荷するが、播州百日どりは75日間以上という地鶏の認定基準よりさらに25日程度長く飼育。出荷時は平均4.3キログラムと一般地鶏より4割重く、肉厚でうま味の含有量も多い。

えさはトウモロコシなどを専用に配合し、飲み水には多可町の80%を占める山から流れ出る天然水を活用。ケージに入れない「平飼い」でゆったりと育ててストレスを減らしている。

JAみのりが関西圏を中心に販売しているが、2017年の食肉産業展「地鶏・銘柄鶏好感度コンテスト」で2位に輝き「全国から問い合わせが増えた」(JAみのり養鶏事業所の前田孝弘所長)。今後はロゴ統一など、さらなるブランド化を進める。

(神戸支社 沖永翔也)

=2018年10月17日付掲載

犬鳴豚料理(大阪府泉佐野市)

飼育に時間、締まり良く

大阪府泉佐野市の犬鳴山温泉では、地元産の豚肉を使った料理が名物になっている。日本旅館、不動口館の「犬鳴ポーク鍋」もその一つ。霜降り和牛のようにサシが入り、適度なかみ応えがある。女将の河原千晶さんによると「『脂身に甘みがある』と話すお客さんが多い」。

豚を育てているのは同市の関紀産業。近隣の食品工場から引き取る規格外のパンや麺類を与えているのが特徴だ。以前は食堂などから出る残飯を食べさせていたが、近畿大学教授などを歴任した入江正和・独立行政法人家畜改良センター理事長の助言を受けながら、今の方法にたどり着いた。入江氏は「飼料に含まれるアミノ酸のバランスが肉質を左右する」と指摘する。

飼料費を安くできる利点を生かし、飼育期間を通常より約2カ月長い8カ月にした。「成熟に本来必要な期間を確保して、肉の締まりが良くなった」(川上幸男社長)。大阪産の食材を生かした堺市のレストラン、ル・シエルの永野貴洋シェフは「あっさりしすぎず、野性味がある」と話す。

(堺支局長 塩田宏之)

=2018年4月25日付掲載

黒田庄和牛(兵庫県西脇市)

山田錦の稲わらで肥育

国内外で人気が高い高級牛「神戸ビーフ」。兵庫県内で出荷する但馬牛の年間約7000頭のうち、サシ(脂肪)の具合や肉の色合いが優れた約5000頭が認定される。中でも県内有数の産地としてブランドを支えているのが「黒田庄和牛」を出荷する西脇市の黒田庄地区だ。

もともとは農家の労働力として活用していた牛を1959年に肉牛に置き換え、83年に県産の素牛(もとうし)を全頭に導入したとされる。現在、域内の畜産農家14戸で約1100頭を飼育している。

県内産地から黒田庄にくる子牛は生後10カ月程度。一般的にえさとなる稲わらや干し草の多くは輸入に頼るが、同地区では稲作農家と協力し地元でとれた高級酒米「山田錦」などの稲わらを与える。

川岸畜産(西脇市)の川岸正樹社長は「最初の1年は稲わらで丈夫な胃袋をつくり、その後はたんぱく質を多く含むエサに代える」と説明する。3年近く育てた牛はサシや肉の繊維が細かくなる。環境に優しい畜産を目指し、牛の排せつ物を地域の稲作農家が使う肥料として利用している。

(神戸支社 杉浦恵里)

=2018年1月31日付掲載

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