2019年9月21日(土)

うどんもそばも、食べ方いろいろ
(あのまちこの味)

関西タイムライン
2019/5/5 6:00
保存
共有
印刷
その他
 日本経済新聞大阪夕刊の「もっと関西」は、2019年5月7日付から「関西タイムライン」(KANSAI Timeline)に生まれ変わります。タイムラインは過去から今、未来への移り変わりを意味します。私たちが働き、暮らす関西について多角的に報じてきましたが、これからもさらに魅力を追求していきます。毎週水曜日に掲載してきた各地の名物・名産「あのまちこの味」の中から、一部を紹介します。

ホルモン焼きうどん(兵庫県佐用町)

味噌風味、焼き色こんがり

兵庫県佐用町の名物「ホルモン焼きうどん」。脂がのった和牛の内臓肉に野菜、うどんを組み合わせて鉄板焼きする料理だ。最後は味噌などがベースの特製つけダレで食べる。約70年前から地元で食され、町内に数十の専門店がある。

「うどん2玉、ホルモン1つ」のように別々に頼む。最初は戸惑うかもしれない。焼き色が付きやすいように、もっちりとした平打ちうどん「平麺」が多いようだ。つけダレは店ごとに違う味を楽しむことができる。

もともと農業が盛んな同町とその周辺は、佐用牛など精肉の出荷も多かった。戦後の食糧難を受け、以前は捨てられていたホルモンに着目、野菜やうどんと一緒に使われるようになったという。

名物料理を街おこしに生かそうと、有志でつくる振興団体「佐用ホルモンうどんくわせ隊」が2002年に結成された。町内外のお祭り会場などで移動店舗を出している。有本宏郎代表は「子供たちにも広く知ってほしい」と話し、子供会などで無料提供している。

(神戸支社 沖永翔也)

=2019年4月10日付掲載

ちゃんぽん焼き(兵庫県姫路市)

そば・うどん一緒に頬張る

ちゃんぽんと言えば長崎だが、兵庫県姫路市では同市発祥の「ちゃんぽん焼き」が有名だ。焼きそば麺にうどんを混ぜた欲張りなB級グルメ。そばのしっかりした食感とうどんのもちもち感の両方を味わえる。市内のお好み焼き屋の定番で、お昼ごはんに作る家庭もあるようだ。

具とソースは様々だ。大手前通りの粉もん屋「姫路ちゃんぽん」の定番メニュー「ちゃんぽん」はキャベツ、豚肉などに昆布だしとソースを加え一味唐辛子で仕上げる。「海鮮塩ちゃんぽん」はエビ、イカを使い塩でさっぱりといためる。

「ちゃんぽん焼き」が登場したのは約40年前。発祥の店は不明だが、パイオニア的存在なのがJR播磨高岡駅前の「お好み焼き道場おなじみや」だ。店長の中嶋道彰さん(75)は作り始めた経緯について「ボリュームを増やすため焼きそば麺1玉にうどん半玉を加えた」と話す。

「姫路ちゃんぽん」では定番メニューを税込み800円で提供している。1日平均100皿近く出るという。姫路城観光の外国人にも好評で、ご当地グルメの一つになりつつある。

(大阪社会部 丸山景子)

=2018年8月15日付掲載

うどんすき(大阪)

最後まで食感シコシコ

ソウダのカツオ節に本枯節、利尻昆布で2時間かけて取ったダシにエビや湯葉、ニンジン、シイタケなど約15種類の具材を煮込む。最初は関西らしいダシ本来の風味を楽しめるが、時間がたつにつれて様々な具材からうまみが染み出て複雑な味わいに変化しこれまた美味。メーン食材として入るうどんは通常より太めに作られ、最後まで食感はシコシコだ。

大阪名物のうどんすき。もともとは料亭「美々卯」先々代の主人だった薩摩平太郎が1928年ごろに作った。当時高級料理だった「すき焼き」にあやかり「うどんすき」と命名したほか、うどんがすくいやすいように底の浅い鍋も開発した。一旦は戦時の混乱で調理法を失ったが、戦後に先代の主人である薩摩夘一らの尽力で復活した。美々卯の本店も大阪・船場に移転し、次第に全国的に知名度を高めた。著名人のファンも多く戦前は作家の谷崎潤一郎、戦後には落語家の桂米朝も、味を満喫したという。

最近は大阪市内の百貨店の地下の食品売り場でも、持ち帰り用として販売されている。

(大阪経済部 出口広元)

=2018年8月8日付掲載

熱盛りせいろそば(堺市)

2度ゆで、ふっくら軟らか

せいろそばと言えば、冷たいそばと冷たいつゆが一般的だが、堺市堺区周辺では熱盛りのそばを熱いつゆで食べる。せいろに盛られたそばはふっくら軟らかく、もちもちとした食感。つけ汁は生卵を割り入れた椀(わん)にかつおだしのきいた濃い味の熱いつゆを注ぎ、青ネギとわさびを加える。最後は熱々のそば湯で残ったつけ汁を割って飲む。

全国的にも珍しいが、店では一度ゆでたそばを、注文を受けてから再びゆでてせいろに盛る。そばは古くはつなぎを使わない十割そばで、麺が切れやすいため、ゆでるより蒸す調理法が一般的だった。諸説あるが、堺のせいろそばはその名残とも言われている。

阪堺線宿院駅周辺には老舗「ちく満」を源流に、店主が親戚筋の「よし井」「ちく千」などが点在する。ちく千の店主、葭井裕さん(71)は「この地域では昔からせいろそばは熱盛りが定番。夏も好んで注文する客が多い」と話す。古い寺院なども多く歴史の薫り漂うまちに息づいている、なんとも不思議な逸品だ。

(大阪社会部 松本勇慈)

=2018年4月4日付掲載

のっぺいうどん(滋賀県長浜市)

具だくさん、葛でとろみ

寒さ厳しいこの時期は、身も心も温かくなる食べ物が恋しくなる。それには滋賀県長浜市の「のっぺいうどん」がうってつけだ。シイタケや湯葉、かまぼこ、ふ、おろしショウガなどの具を吉野葛でとろみをつけた出汁(だし)でまとったうどんだ。一口目から最後まで熱々のまま食べられる。名前の由来はのっぺりとしているから、新潟の郷土料理「のっぺい汁」に似ているからなど諸説ある。

1876年、うどん・そば店「吉野」の初代が京都からびわ湖北部の長浜に移り店を構えた際、京都に多い葛料理をヒントに考案したとされる。以来、冬の寒さ厳しい長浜で店ごとに具に特徴を持たせるなどして広がった。吉野の5代目、西池淳さんは初代からの味を守る。「とろみが強く、普通のうどんでは持ち上げた時に切れる。だからコシを強くしている」

常連客から風邪気味なのでショウガを多くしてと注文されることもある。西池さんも「小さい時、風邪をひいたらショウガがたっぷり入ったのっぺいうどんを食べていた」と話す。長浜の地に根ざした味だ。

(大津支局長 橋立敬生)

=2018年1月24日付掲載

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。