2019年5月24日(金)

バチカン、北京園芸博に初出展 習指導部、台湾孤立図る

中国・台湾
ヨーロッパ
2019/4/20 9:01
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【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部がキリスト教カトリックの総本山バチカン(ローマ法王庁)との接近を急いでいる。北京で4月末に始まる「北京国際園芸博覧会」に招待し参加を取り付けた。欧州で唯一、台湾と外交関係があるバチカンを取り込み台湾の孤立を狙う。中国の地下教会が人権問題に広がらないよう早期に正式和解し、封じ込めたい思惑もある。

4月末に始まる北京国際園芸博覧会の会場=AP

園芸博には日本を含む約110の国・国際組織が出展する予定。バチカンは中国の招きを受け、園芸博に約200平方メートルの展示館を設ける。園芸博出展は初めてで、文化評議会議長(文化庁長官に相当)のラバージ枢機卿が開幕式に出席する。

習指導部がバチカンと早期の正式和解をめざすのは台湾の統一問題が念頭にあるためだ。中国は台湾の外交関係の切り崩しを進めており、台湾の友好国は17カ国まで減った。太平洋の島国や中南米がほとんどを占め、欧州で唯一、外交関係を結ぶのがバチカンだ。

バチカンの動向は欧米など国際世論に与える影響が大きい。習指導部は中国とバチカンの国交を樹立し、台湾を孤立させたい考え。園芸博への招待はその一歩と位置づけている。中国外務省の陸慷報道局長は17日の記者会見で「中国とバチカンは話し合いを続け関係改善を進めている」と強調した。

地下教会の問題を封じ込めたいとの思惑も見え隠れする。中国とバチカンは2018年9月、長年の懸案だった中国内の司教任命の主導権問題を巡り「暫定合意」した。香港メディアなどによると、暫定合意の期限は2年程度との見方がある。

中国国内の地下教会は中国共産党の影響が強まりかねないことに懸念を募らせているとされる。欧米は新疆ウイグル自治区での人権問題で中国に批判の目を向けている。習指導部は地下教会が人権問題に飛び火する事態を警戒する。バチカンと早期に正式合意を結び、バチカンの「お墨付き」を得たい考えだ。

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