混迷LIXIL、行方決める3つの関門

2019/4/19 22:52
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記者会見するLIXILグループの潮田洋一郎会長兼CEO(左)と山梨広一社長兼COO(18日、東京都港区)

記者会見するLIXILグループの潮田洋一郎会長兼CEO(左)と山梨広一社長兼COO(18日、東京都港区)

住設機器大手のLIXILグループで、トップ人事を巡り混乱が続いている。機関投資家らの株主連合から解任を求められていた創業家出身の潮田洋一郎会長兼最高経営責任者(CEO)が5月20日付での取締役辞任を表明した。一方で、潮田氏に解任された形の前CEOの瀬戸欣哉氏らは6月の定時株主総会に独自の取締役候補を株主提案した。今後の同社の行方には3つの焦点がある。

■臨時総会あるか

1つ目の焦点は株主連合が求めていた臨時株主総会が5月下旬に開催されるかどうかだ。

臨時総会では潮田氏と山梨広一社長兼最高執行責任者(COO)の解任を諮る予定だった。退任の意向を示した潮田氏と山梨氏は臨時総会を開かないことを株主連合に呼びかけたい考えだ。

ただ、山梨氏は6月下旬の定時総会での任期満了で退任する予定。このため、臨時総会が開かれれば山梨氏は解任される可能性もある。株主連合は要請している臨時総会の開催の可否について検討を始めた。

■指名委どう動く

2つ目の焦点は6月の定時総会に会社が提案する取締役候補者に指名委員会が誰を選ぶかだ。

LIXILは指名委員会が取締役の人事案を決める指名委員会等設置会社。指名委は社外取締役などで構成する。2018年10月には瀬戸氏の退任と、潮田氏のCEO就任などの手続きも指名委が進めた。

現在の指名委は、瀬戸氏の退任を決めた時のメンバー3人を含む社外取締役4人と、LIXIL前身の旧トステム出身の社内取締役1人で構成する。潮田氏は旧トステムの創業家だ。

瀬戸氏退任の経緯を検証したLIXILの第三者の弁護士は「社外取締役を含めた多くの取締役に潮田氏に遠慮があったことが認められる」と2月に報告した。定時総会に向けた取締役候補者の選出にも潮田氏の意向が反映される可能性がある。潮田氏は「元気の良い若いリーダーに後を託す」と話すほか、「アドバイザーをやれと言われれば考える」とするなど今後も一定の関与をにおわせている。

■委任状争奪戦も

3つ目の焦点は、定時総会に諮る会社提案に瀬戸氏側が納得しない場合、株主提案との対決になることだ。瀬戸氏が会社に送付した株主提案では取締役候補者として、自身のほか、LIXIL前身の旧INAX出身の伊奈啓一郎氏・川本隆一氏、旧トステム出身で子会社取締役の吉田聡氏の社内4人。新たに招く元最高裁判事の鬼丸かおる氏ら社外4人という布陣とした。「委任状争奪戦(プロキシーファイト)」に発展する可能性もある。

LIXILは19年3月期に最終損益(国際会計基準)が530億円の赤字になったようだ。イタリアの子会社で減損損失を計上したことが響いた。潮田氏は業績悪化の責任が瀬戸氏にあると主張。瀬戸氏は業績悪化の原因の海外子会社を買収したのは潮田氏と反論する。両者は焦点となる機会それぞれに、株主や取引先に説明責任が問われることになる。

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