2019年9月23日(月)

李公麟の名品「五馬図巻」、約80年ぶりに発見

文化往来
2019/5/2 6:00
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中国・北宋時代の画家、李公麟(りこうりん)(1049~1106年)の「五馬図巻」が約80年ぶりに見つかり東京国立博物館に寄贈されていたことが明らかになった。中国の歴代皇帝が愛蔵した文人画の傑作で、昭和初期に日本に渡ったが、所在が分からなくなっていた。

李公麟「五馬図巻」(部分)

李公麟「五馬図巻」(部分)

李公麟は、彩色を排して墨線のみで描く唐代の白描画を復興した名手。馬の絵に優れ、なかでも人物と併せ描いた5枚絵の五馬図巻は逸品として知られる。全長257.2センチ。南宋の高宗や清の乾隆帝が所有していた記録が残る。

清朝最後の皇帝、溥儀の教育係である陳宝●(たまへんに探のつくり)(ちんほうちん)の娘婿によって日本にもたらされ、1928年に現在の東博と東京都美術館で開かれた展覧会に出品された。30年に実業家の末延道成が購入したが、戦後に行方が分からなくなっていた。国内で発見され、2017年度に東博に寄贈された。寄贈元は公表していない。

東京大学東洋文化研究所の板倉聖哲教授は「線の強弱だけで遠近感を示し、繊細な濃淡で人や馬の肌の質感と立体感を表す。筆致の巧みさは想定以上で、白黒図版では決して分からなかった」と話す。原寸大のカラー図録「李公麟『五馬図』」も羽鳥書店から刊行された。李公麟の他の作品との比較など、詳しい調査を続ける。

(岩本文枝)

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