2019年5月26日(日)

バー司法長官が初会見、「結論下すのは私」 発言要旨

トランプ政権
北米
2019/4/19 1:00
保存
共有
印刷
その他

 バー司法長官は18日、モラー特別検察官による捜査の最終報告書について初めて記者会見した。発言と質疑応答の要旨は以下の通り。

記者会見するバー米司法長官(18日、ワシントン)=AP

記者会見するバー米司法長官(18日、ワシントン)=AP

■冒頭発言の要旨

2016年の大統領選挙に関する特別調査について最大限の透明性を確保する。報告書を午前11時に提出し、その後、司法省が公開する。

すでにご存じの通り、特別検察官は報告書で「調査はトランプ米大統領の陣営が選挙干渉活動においてロシア政府と共謀または調整を行ったことを証明するものではない」と述べている。報告書が明らかにしたように、ロシア政府は大統領選のプロセスに介入しようとした。だが特別検察官の徹底的な調査のおかげで、計画を実行したロシアの工作員はトランプ米大統領や選挙陣営の援助を得ていないことが分かった。

特別検察官の報告書は、16年の米大統領選に影響を与えようとしたロシアによる2つの主要な取り組みに触れている。まず、ロシア政府に近い組織インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)がソーシャルメディアなどを使い有権者の間に社会的不和の芽をまいた。だが、特別検察官は、トランプ氏の陣営を含む全ての米国人が、ロシア政府やIRAと共謀または調整したという証拠はなかったという。

第2に、報告書はロシア軍当局がコンピューターに侵入し、民主党やクリントン氏の選挙陣営からメールや文書を盗もうとしたと述べている。だが、やはりトランプ氏の選挙陣営がロシア政府と共謀、または調整したという証拠はなかった。

ロシアとの根本的な共謀がないと分かった今、報告書はトランプ氏の特定の行動が調査妨害に該当するかを検討し続けている。特別検察官は司法妨害の可能性があるとした10の事例(エピソード)について取り上げている。

法律顧問局などと協議し、特別検察官が提出した事例は大統領が司法妨害や、それを指示したという根拠を確立するには不十分だと私と副長官は結論づけた。私と副長官は法理論の観点から(特別検察官に)同意できない点があり、いくつかのエピソードは法的な妨害には当たらないと感じたが、我々は決定を下す際にそれだけに頼らなかった。ここから我々は大統領の行動を分析し結論づけた。

トランプ氏は就任したときから前例のない事態に直面していたことを理解すべきである。連邦捜査官、検察官が就任前と後の行動について調べる中で大統領としての責任を遂行するという状態にあった。さらにメディアからも絶え間ない推測報道が流れていた。ロシア介入への関与があるというものも流れた。こうしたことがトランプ氏を不満にさせ、怒りが捜査は大統領の職責を覆そうとしていると信じるまでにつながった。にもかかわらず、ホワイトハウスは捜査に対し完全協力し、特別検察官は自由なアクセス権を持っていた。

捜査報告書の公開について、4つの観点から非公開にする部分を再度申し上げたい。大陪審の証言など刑事手続きによって公開できない情報、情報源の漏洩にあたるもの、第三者のプライバシーや評判にかかわるもの、まだ捜査が継続中のものだ。

報告書(の非公開部分)の削除は、司法省の弁護士によってなされた。特別検察官のオフィスの弁護士、情報機関などとも密接に協力した。外部のだれも手を加えていない。

■米メディアとの質疑応答

――モラー特別検察官と司法省高官らとの間で捜査妨害を巡って意見が割れたという。どんな点で意見が割れたのか。

「(モラー氏が)なぜ(トランプ米大統領による)捜査妨害があったかどうかを判断するには十分な証拠がないと結論づけたのかについては、本人による記述を読んでほしい。3月5日、ローゼンスタイン司法副長官らを伴ってモラー氏に会った。その場でモラー氏は司法省の法律顧問局の意見を受けて(証拠不十分と)結論づけたわけではないことを何度も確認した」

――特別検察官の判断に合意せず、司法副長官とともに無罪という次の段階の決定に進む必要があるとみるのはなぜか。

「検察当局の機能や大陪審招集などの強制的プロセスにおいて、我々の目的はただ一つ、有罪か無罪かを決めることだ。これが我々の責務である。ただ、単に情報を集め、それを公開するためだけにこのプロセスがあるわけではない。情報を集め、それを強制的なプロセスの中で有罪・無罪の決定のために使用するのだ。特別検察官がその決定をしなかったので、司法長官の私と司法副長官がこの決定をする必要があると判断した」

――特別検察官は(司法妨害についての調査報告の)判断をあなたに下してほしい、または議会に委ねたいと示唆したか。あなたが司法の長としてよりも、大統領の(個人的な)司法長官として振る舞っているとの民主党議会からの批判にどう答えるか。

「モラー特別検察官からは、報告書について議会に判断を委ねるためだという示唆はなかった。実際、彼がそんな考えを持っていないことを祈る。我々が犯罪捜査を進め大陪審を招集するのはそのためではない。我々が報告書の結論について判断を下すことについてもモラー特別検察官とは直接話していない。彼の反応は、結論を下すことが私の司法長官としての特権だと(話したと)聞いた」

――ロシア疑惑に関するあなたのレビューについて示せることはあるか。

「今日は報告書の発表に関する内容だけだ」

――民主党はモラー氏本人の証言を求めている。彼はいま司法省の所属だが、モラー氏の議会証言を認めるか。

「個人の証言について止めるつもりはない」

――ロシアとの共謀や捜査妨害など、すべての疑惑を否定する結論を下した。あなたが「トランプ氏を守ろうとしている」との批判をどう受け止めるか。

「報告書を真摯に受け止めた結論だ。(トランプ氏に)寛大だという意味は分からない」

――この会見の場になぜモラー氏はいないのか。この報告書は彼の報告書ではないのか。

「いや違う。モラー氏は司法長官である私のために機密の報告書を作った。本日、私は報告書についての自分の解釈と結論について話すためにここにいる。(モラー報告書は公にされるべきものではなく)情報を公開するかどうかは私の裁量だ」

(米州総局)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報