2019年5月22日(水)

パキスタン財務相が辞任、対IMF交渉の司令塔

南西ア・オセアニア
2019/4/18 22:24
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【ニューデリー=黒沼勇史】パキスタンのアサド・ウマル財務相が18日、辞任した。2018年8月に発足したカーン内閣の支柱の一人だったが、わずか8カ月での退任となった。同国は外貨不足が続き、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)から支援を得たが、国際通貨基金(IMF)とはいまだ交渉中で、そのさなかに司令塔が不在となる格好だ。

18日、パキスタン財務相を辞任したアサド・ウマル氏=ロイター

ウマル氏は18日午後、自身のツイッターで、カーン首相からエネルギー相へ転じるよう打診があり、それを断ったうえで閣僚を退くことで合意したと明かした。その後、イスラマバードで記者団に対し「私たちは最悪の経済を引き継ぎ、改善はしたものの理想的な状態とはほど遠い」などと述べた。

IMFとの交渉を終え、米ニューヨークから帰国したウマル氏は15日、記者団に対し、IMFから60億~80億ドル(約6700億~8900億円)程度の財政支援を得ることで「政策レベルで」合意したと明らかにしていた。IMF関係者も4月末までにパキスタンを訪れ、交渉を詰める方針を示していた。

ウマル氏は辞任理由を明らかにしていないが、IMF支援を巡る与党パキスタン正義運動(PTI)内部での意見対立などが原因との見方が出ている。野党も、18年7月に実施した総選挙を前に、カーン首相が「IMFに支援を求めるくらいなら自殺する」などと演説したことを引き合いに出し、対IMF交渉を仕切るウマル氏への批判を強めていた。

パキスタンの外貨準備高は中国主導のインフラ整備に伴う輸入増や対外債務の償還額の増加が原因で急減してきた。サウジやUAE、中国から支援を受け、一時72億ドルまで減った外準は19年3月末時点で104億ドルまで回復した。しかし経済の安定に最小限必要とされる月間輸入額の3カ月分を下回る水準に依然とどまっており、外準の積み増しがなお急務となっている。

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