2019年5月21日(火)

金正恩氏、プーチン大統領と初会談へ 24日にも

北朝鮮
朝鮮半島
ヨーロッパ
2019/4/18 22:18
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【モスクワ=石川陽平、ソウル=恩地洋介】ロシア大統領府は18日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長がプーチン大統領の招待で4月下旬にロシアを訪問すると発表した。詳細は明らかにしていないが、24~25日に極東ウラジオストクで首脳会談が開かれる見通しだ。両氏の会談は初めてで、北朝鮮最高指導者の訪ロは故金正日総書記が2011年8月にメドベージェフ大統領と会談して以来となる。

16日に空軍の飛行訓練を視察した金正恩氏=朝鮮中央通信・朝鮮通信

16日に空軍の飛行訓練を視察した金正恩氏=朝鮮中央通信・朝鮮通信

ロシア紙によれば、24日の首脳会談の準備は着々と進んでいる。12年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の会場となったウラジオストクのルースキー島が会談の有力地に挙がっている。

金正恩氏が特別列車で現地入りするとの観測もある。プーチン氏は会談後、26~27日に北京を訪れ巨大経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議に出席する方向だ。

金正恩氏には米朝の非核化交渉が停滞するなか、局面打開のために伝統的友好国との関係を強め、トランプ政権をけん制する狙いがある。ロシアはシリア問題などで米国と対立を深めるが、国連安全保障理事会の常任理事国として国際的な対北朝鮮制裁の議論に影響力を持っている。金正恩氏は制裁の早期緩和や固執する段階的非核化の手法を巡り、ロシアの支持を取り付けたい考えだ。

北朝鮮は連日のように、非核化交渉で譲歩しない姿勢をみせる米国へのけん制を続けている。朝鮮中央通信によると金正恩氏は17日、兵器の開発機関である国防科学院が実施した「新型戦術誘導兵器」の発射実験を軍幹部とともに視察。兵器について「軍の戦闘力を強化する上でとても大きな意味がある。決心すれば、造れない兵器などない」と語り、軍事技術の開発を奨励した。

報道は「新型兵器」の詳細には触れていないが「特殊な飛行誘導方式と威力のある弾頭部装着」が評価を受けているなどと伝えた。米メディアによると米軍は弾道ミサイルの発射を探知しておらず、射程数十キロ程度の低高度ミサイルとの見方が出ている。

ただ、対米交渉をにらんだ北朝鮮のロシアへの接近には、トランプ政権や米議会与党の共和党が強く反発することが予想される。もともと共和党にはロシアや北朝鮮への警戒論が多いだけに、トランプ政権に北朝鮮との交渉で譲歩しないよう圧力を強める可能性もある。

一方、ロシアのプーチン政権は首脳会談の実現に向けて北朝鮮へのアプローチを続けてきた。会談を通じて国境を接する朝鮮半島で影響力を確保し、将来の権益確保につなげる狙いがある。米朝間の緊張が再燃し、米国が東アジアでミサイル防衛網の整備など軍備増強に動くことへの警戒も強い。

実利的な思惑もある。米朝交渉の打開を促し、対北朝鮮制裁が緩和されれば、朝鮮半島の鉄道とシベリア鉄道を接続した貨物輸送や、北朝鮮を経由した韓国への天然ガスパイプライン敷設など大規模プロジェクトへの道が開けるとの読みがある。

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