台湾TSMC、約1割減益 4~6月期見通し
中国スマホ需要で復調の兆しも

2019/4/18 19:32
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【台北=伊原健作】半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は18日、2019年4~6月期の連結営業利益が前年同期に比べ1割前後減る見通しと発表した。スマートフォン(スマホ)の販売不振や仮想通貨向けの需要減が続き、4四半期連続の減益となる。ただ決算会見で同社は19年後半の回復に自信があると強調。中国スマホ需要の貢献が膨らんでいるもようだ。

半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は4~6月期の業績見通しを下方修正した=ロイター

「1~3月だけでなく4~6月も世界経済の(減速の)影響を受け、需要が落ち込む」。18日に台北市内で開いた決算説明会で、魏哲家最高経営責任者(CEO)はこう述べた。

TSMCは電子機器の頭脳となる半導体の受託生産で世界シェア5割超を占める。米アップルのスマホ「iPhone」をはじめサーバーやゲーム機など、あらゆる製品に同社製の半導体が搭載される。18年12月期まで7期連続で純利益が過去最高を更新したが、スマホ需要が失速した昨年後半から需要減に苦しむ。

同日開示した19年4~6月期のドルベースの収益見通しから試算すると、売上高は2350億台湾ドル(約8500億円)前後とほぼ横ばいとなる。営業利益は750億台湾ドル前後と約1割減る見通しだ。在庫が膨らみ収益性が悪化している。

一方、魏氏は会見で「4~6月期の先は(業績は)回復する」と強調した。同日発表した19年1~3月期の営業利益は前年同期比34%減で、4~6月期は減益幅が縮小する。「ハイエンドのスマホが伸びている」(魏氏)という。

同社は具体的な顧客名は明らかにしなかったが、市場では中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)傘下の半導体設計・開発大手、海思半導体(ハイシリコン)の貢献が増大しているとの見方が出ている。既に売上高全体の1割弱に達しつつあるもようだ。

ファーウェイは減速するスマホ市場でも好調を維持し、スマホ向け半導体を開発するハイシリコンは既に世界水準の技術力を備えるとされる。iPhone向けの不振を補う救世主となりつつある。

TSMCはアップルや米半導体大手のクアルコムなど米企業を主要顧客として成長してきた。ただ中国顧客の貢献は年々上昇し、18年12月期の売上高に占める中国顧客の比率は17%と前年比6ポイント増え、過去最高水準に達した。

ただハイテク分野の米中の覇権争いでファーウェイはトランプ米政権の標的となっている。貿易摩擦で需要全体が上向かないなか、ファーウェイ依存が深まればリスクを抱え込むことになる。

台湾東部花蓮では18日にマグニチュード6.1の地震が発生し、建物が傾くなどの被害が出ている。TSMCの担当者は「生産に影響はない」とした。

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