2019年5月26日(日)

全国学テ、中3英語を初実施 「話す」など発信力重視

2019/4/18 18:58
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全国の小中学校で18日、小6と中3を対象にした文部科学省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)があった。国語と算数・数学に加え、中3を対象に初めて英語が行われた。英語は「読む・聞く・書く・話す」の4技能を試す内容。自分の考えを書いたり、会話の流れに沿って話したり、生徒が苦手だとされる発信力を重視した。

ヘッドセットを着けて全国学力テストの英語「話す」の試験に臨む中学3年生(18日、都内)

ヘッドセットを着けて全国学力テストの英語「話す」の試験に臨む中学3年生(18日、都内)

参加校は全ての国公立校と、約50%の私立校で、小6は約107万6千人、中3は約104万5千人が対象となった。

東京都内の中学校では同日午後、英語の「話す」のテスト時間には生徒がコンピューター教室に集まり、パソコンの前に着席。慣れない手つきでヘッドセットを着けた。

生徒は動画と音声による問題を画面で見て、英語で解答する。テスト時間は5分で、準備を含めると15分。生徒の解答はUSBメモリーに保存し、委託業者が採点する。

問題づくりを担当した国立教育政策研究所の担当者は「英語での発信力を重視した」と説明する。

例えば「話す」の大問の一つは対話する力を試し、まず「アラン先生」と「ユイコ」が、アラン先生の家族が料理をしている写真を見て会話している音声が流れる。アラン先生がユイコに問われて「母は教師だ」などと答えた後、「ほかに彼らについて質問はある?」と投げかける。生徒は即興で聞きたいことを考え、質問する。

別の大問では発表する力を試す。海外のテレビ局の収録という設定で、テストを受ける生徒は「将来の夢」「夢の実現のために頑張っていること」などについて話す。

「書く」では、外国人旅行客向けのタウンガイドに載せることを想定し、「学校」を表すピクトグラム(絵文字)を2種類提示。どちらがいいか選び、その理由を25語以上の英語で書かせた。

「読む・聞く」でも正解を選択肢から選ばせるだけでなく、短文を書かせる問題を混ぜた。

今回の全教科の問題と正答例は、作問した国立教育政策研究所のホームページで公開している。テスト結果は7月末に公表される予定で、教師は結果を分析し、授業改善に生かす。

文教大の金森強教授(英語教育)は英語の「話す」テストについて「音声や画像から全体の内容を理解し、その上で話す内容を考える必要がある。難易度は高いが学校であまり教えてこなかった内容」と指摘する。

ただ「機械による静止した画像でのやりとりは本当のコミュニケーションとは違う。テスト対策に走れば点数は上がるかもしれないが、本当のコミュニケーション力がつかない恐れがある」と危惧している。

18日に小6、中3を対象に行われた全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では、国語と算数・数学で、これまで基礎知識を問うA問題と応用力をみるB問題を出していたのを一体化した。大問の中に複数の小問があり、それぞれの要素を意識した問題を混ぜた。

■ 国語・数学、基礎と応用一体化
 国立教育政策研究所の担当者は「(2020年度から順次始まる)新しい学習指導要領の知識や技能、思考力や判断力を総合的に育成するという考え方に基づいている」とする。
 従来のA問題でも応用力をみるような問題を混ぜ、B問題のなかで知識を問うこともあり、「年を経るごとに境界線が絶対的なものではなくなってきた」と説明する。ただ問題の形式が変わると、過去の結果との比較が難しくなるといった課題もある。

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