2019年7月23日(火)

北陸3県、賃上げ幅縮小 中国減速など影響

2019/4/19 7:00
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北陸3県の2019年春季労使交渉は賃上げ幅を縮小する動きが目立つ。3県の連合が公表した月例賃金の賃上げ額は、前年同時期に比べて伸び率が低下している。3県とも上昇した昨年に比べて、中国経済の停滞や10月に控えた消費増税への懸念などで慎重姿勢が見られる。一方で人材確保に向け初任給引き上げなどで若手への配分を重視する企業は増えている。

19年度の春季労使交渉について会見する連合福井の横山龍寛会長(左)

北陸3県の春季労使交渉の中間状況

「海外での不透明感や増税への不安感から、大手を中心にやや守りに入っている」。11日に記者会見した連合福井の横山龍寛会長はこう分析した。9日時点で要求を提出した99組合のうち67組合が回答・妥結。定期昇給とベースアップ(ベア)を合わせた賃上げ額は6186円(加重平均)で、前年同時期の実績を281円下回った。

昇給自体は続いていることから、横山会長は「給料は上がるものだという意識は根付いてきた」と強調する。ただ、好調な業績や人手不足を背景に、経営側から自発的な賃上げに動いた事例もあった前年から状況は変化している。

連合石川は12日時点で167組合のうち97組合で妥結した。賃上げ額は6013円(加重平均)で、前年同時期を241円下回った。

連合富山では17日時点で207組合のうち122組合が妥結し、賃上げ額は5637円。前年同期比で48円安く、伸び率は0.17ポイント下がった。自動車向け電子部品を生産する北陸電気工業は高水準だった昨年より下がったが、「(米中貿易摩擦が影をさすなか)2年前と同じ水準を維持した」とした。

今回の交渉では都市部にある親会社の本社よりも、県内にある子会社の賃上げ額が高いケースも目立つという。連合富山の浜守秀樹事務局長は「県内で続く人手不足が影響し、大手準拠の賃上げが変わってきた」と指摘する。

北陸3県の機械や金属など中小製造業が多く加盟するものづくり産業労働組合(JAM)北陸によると、加盟各社の賃上げ額は15日時点の単純平均で5733円。同一労組ベースでは前年比横ばいか微減だという。

中国経済の減速を背景に、電子部品関連の業種で賃上げ幅を圧縮するケースが目立つ。JAM北陸の担当者は「人手不足で賃上げのマインドは続いているが、全体としてまだら模様になっている」と説明する。

 初任給上げで人材確保へ

 北陸3県の有効求人倍率は2月時点で福井が全国最高の2.18倍、富山で2.00倍、石川で1.95倍と高止まりが続く。各企業は直接的な効果が見込まれる初任給の引き上げを通じ新卒や若手の人材確保に取り組む。

スキャナー大手のPFU(石川県かほく市)は今年度の新入社員の初任給を上げ、大卒は1000円増の21万2500円、高卒は1500円増の16万5000円とした。ベースアップは6年連続で、1000円で妥結した。定期昇給を合わせた賃上げを若手に重点配分し、幹部候補の育成につなげる。

北陸電気工業は、高卒の初任給を1500円引き上げたほか、従業員が退社してから翌日の出社まで時間をおく「勤務間インターバル制度」の導入も計画する。

セーレンは新入社員の初任給を一律3000円引き上げた。「優秀な人材確保が年々厳しくなっており、将来を見据えて若手に多く配分する」(広報担当者)。

福井県経営者協会が県内企業を対象に実施した調査によると、18年度入社では29%の企業が新卒初任給を引き上げ、45%が採用人数を増やした。石川県経営者協会の調査でも5割を超える企業が大卒の初任給を引き上げた。

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