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原油高、樹脂に再び波及 プライムポリマー値上げ

環境エネ・素材
2019/4/18 17:30
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原油価格の上昇が国内の石油化学製品に波及してきた。樹脂大手のプライムポリマー(東京・港)は食品包装フィルムや自動車部品に使う汎用樹脂の値上げを決め、大口需要家と交渉を始めた。主原料ナフサ(粗製ガソリン)の価格上昇分を転嫁する。他の石化製品にも値上げが広がる可能性はあるが、アジア市況の回復力は鈍く、需要家には様子見姿勢も強い。

■ナフサ年初比3割高

需要は堅調だが供給減不安は薄れてきた(三井化学大阪工場のポリプロピレンプラント=大阪府高石市)

需要は堅調だが供給減不安は薄れてきた(三井化学大阪工場のポリプロピレンプラント=大阪府高石市)

食品包装フィルムなどに使うポリエチレン、自動車部品などに使うポリプロピレンを5月21日納入分から1キロ当たり10円(4~5%)以上引き上げる。同社の値上げ表明は2018年10月以来となる。

原油相場上昇に伴う原料ナフサ高が理由だ。米国の外交圧力でイランやベネズエラの原油生産が減ったほか、石油輸出国機構(OPEC)の協調減産も影響し、原油相場は年初から基調を強めている。主原料ナフサのアジアのスポット価格は1トン580ドル台と年初比で約3割上昇し、18年秋以来の高値圏にある。

年初来の円安・ドル高傾向も、価格算定の基準となる円建ての国産ナフサ価格を押し上げた。プライムポリマーは4~6月の国産ナフサが1キロリットル4万8千円超と、1~3月より15%前後高くなると見込む。

石油化学工業協会がまとめた統計によると、低密度・高密度ポリエチレンとポリプロピレンの3月の国内出荷量は合計で約39万トンと前年同月に比べて0.5%増えた。定期修理に備えた動きなどで出荷が低調だった前年の反動もみられるが、自動車向けを中心とした国内需要には底堅さが戻っている。

樹脂値上げの動きは他社にも広がりそうだ。ある樹脂大手はポリエチレンなどで「今後の原料価格をみて検討する」としている。食品容器や家電製品に使うポリスチレンでは原料ベンゼンも値上がりしており、7月からの値上げを検討するメーカーがある。

■需要家は様子見姿勢

プライムポリマーの値上げに対し、需要家には「大型連休明けまで様子を見たい」(フィルムメーカー)といった声が多い。メーカーの生産トラブルや定期修理による調達面の不安が解消したうえ、原油相場に不透明感が強いことが背景だ。

樹脂大手は18年夏に約5%の値上げを実現し、同年秋にも再値上げを表明した。だが原油相場が年末にかけて下落に転じ、浸透は一部にとどまった。中東や北アフリカの地政学リスクによる供給不安がある一方、米中貿易摩擦が需要に与える影響が懸念され、原油相場は見通しにくい。

世界景気の不透明感はアジアの石化製品相場にも表れている。ポリエチレンやポリプロピレンの東アジア市場価格は年初から1トン1000~1100ドルで推移している。底入れ感は鮮明になったものの、ほとんど上昇していない。

フィルムや雑貨など樹脂製品はメーカーが多く価格競争が厳しいため、国内価格への転嫁は容易でない。需要家には内外の市場環境を見極めようというムードが強い。

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