2019年5月21日(火)

仏アリアン、日本の宇宙新興と提携 小型衛星など強化

スタートアップ
自動車・機械
2019/4/18 14:32
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商業衛星打ち上げ世界最大手の仏アリアンスペースは18日、小型衛星開発を手掛ける日本のスタートアップ、シンスペクティブ(東京・中央)と戦略提携すると発表した。世界的に需要が拡大する通信向け低軌道衛星など宇宙ビジネスの新領域を共同で開拓する。同日、都内で記者会見したアリアンのステファン・イズラエル最高経営責任者(CEO)は「スタートアップとの連携でイノベーションを継続し、より柔軟なソリューションを提供する」と強調した。

18日、日本のスタートアップとの提携を発表する仏アリアンスペースのステファン・イズラエルCEO((中)、東京都中央区)

アリアンは1980年にフランス、ドイツなど欧州主要国政府の共同出資で設立した。大型ロケット「アリアン5」などを活用した放送・通信用の大型静止軌道衛星の打ち上げが主力。約600基の打ち上げ実績があり、2018年の売上高は約13億ユーロ(約1600億円)に達する。

近年、小型衛星を使って山間部など地上インフラが未整備の地域にブロードバンドを提供するサービスが世界的に注目を集める。

米スタートアップ、ワンウェブやアマゾン・ドット・コムが同種のサービス向けの衛星の打ち上げを計画しており、アリアンもワンウェブから衛星の打ち上げを受注している。

シンスペクティブは独自開発の小型衛星を使った地上観測サービスの提供を目指している。社内に多数のデータサイエンティストを擁し、衛星から取得した地形や交通、経済活動などについての情報を人工知能(AI)で解析し企業に提供するビジネスなどを構想する。同社は20年、アリアンの小型ロケット「ヴェガ」で自社で最初の人工衛星を打ち上げる計画。アリアンは今後、シンスペクティブの地球観測システムの構築に協力し、「宇宙技術のよりよい暮らしへの活用に貢献する」(イズラエルCEO)考え。

人工衛星の打ち上げビジネスでは米電気自動車(EV)メーカー、テスラの創業者であるイーロン・マスク氏が02年に設立したスペースXなどの新興企業が台頭している。同社は内製部品を多用した独自開発のロケットや、いったん打ち上げたロケットを回収・再利用するモデルで、打ち上げコストの削減を進めており、アリアンの主要顧客である放送・通信業者からの受注でも実績を上げている。アリアンはシンスペクティブとの連携を通じて、小型衛星を使ったビジネスノウハウを吸収。スペースXなどに対抗したい考えだ。

(松井基一、山田遼太郎)

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