2019年5月20日(月)

「米経済、わずかに成長」 地区連銀経済報告

経済
北米
2019/4/18 3:30
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【ワシントン=長沼亜紀】米連邦準備理事会(FRB)が17日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、3月から4月上旬にかけて米経済は「わずか・緩やかに拡大」したと総括判断した。消費には強弱があり、企業は貿易政策の不透明さや賃金上昇を懸念していると指摘した。

同報告によると、大半の地区で経済活動の拡大は「前回報告と同様のペース」だった。成長は続いているものの勢いを欠くことを示した。ただし「幾分ペースが強まった」地区も一部あった。

個人消費は「まだら模様」で、一般小売店と自動車販売店の売り上げは振るわなかった。リッチモンド地区の家具店は「不安定な消費者景況感」を要因に指摘した。しかし、クリーブランド地区の小売業者は「需要と景況感に上向く兆しがみられ、4~6月期には回復する」と予測した。

一方、軟化していた住宅販売は大半の地区で回復した。ダラス地区の業者は「客足と売り上げが著しく上向いた」と報告した。

製造業は良好だったが、多くの企業が引き続き貿易政策をめぐる不透明さに懸念を持っていた。フィラデルフィア地区の製造業者は、追加関税コストが転嫁され仕入れ価格が上がり続けており、「今後が不透明なので採用を減らした」と報告。3年分のクギを買いだめする建設業者もいた。

雇用増は全米で続いたが、特に高技能を必要とする職に集中していた。労働市場は依然逼迫しており、特に製造業と建設業で技能を備えた労働者不足が深刻だった。賃金の上昇圧力が増しており、低技能と高技能の両方で今年初めと同様のペースで賃金が伸びた。

物価も全般に緩やかに上昇した。仕入れ価格上昇の主因として関税、輸送費、賃金上昇を指摘する企業が相次いだ。しかし、仕入れ価格の上昇分を消費者に転嫁できる企業とできない企業があった。

同報告は、4月30日~5月1日に開く次回米連邦公開市場委員会(FOMC)の討論資料になる。FRBは景気減速を警戒しており、物価上昇圧力が弱いことから政策金利を当面据え置きする方針を示している。

報告書は4月8日までの情報に基づき、全米の12地区連銀が最新の経済動向をまとめた。

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